私の人生の宝物。 (ページ10)

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8シリウスページ10

シ｢……はぁ｣

太宰家。それはそれは純血主義の世界でも有名な1家だ。

極悪非道。他者の命をゴミのように扱い、時としては人を利用し、他者の命を奪う。自分が一番可愛いと思っており、その他の人間はどうでも良く、ただ自分が上にいればいい、そんな考えの連中だ。嘘が得意とし、それで陥れる。

1度だけ太宰家の当主とその妻を家で見た事がある。
見た瞬間思った。あれには、あれにだけは死んでもなりたくない、と。

太宰家には黒い噂が尽きない。それはブラック家にも言えることだが。
日本に住む、純血主義。

シ｢……莉奈・太宰｣

人目見た瞬間、綺麗だな、そう思った。
茶色の髪は、少しふわりとしていて、それでいて光の反射で綺麗に輝いていた。
茶色の瞳は東洋人特有の色で、それでいてどこか引き込まれるような瞳だった。
透き通るようなきれいな肌に赤いくちびる。ぱっちりした瞳にあの髪。……正直に言うと見蕩れた。

……だが。あいつは太宰家。

先程話していた時も不思議と不信感はなかった。
嫌悪感もない。むしろ心地よかった。

……だがもしそれが嘘だとしたら。

そう思うと顔が険しくなる。

……あぁ、なるほど。俺は、あいつを疑っているのか。

と言うより、、、

恐れているのか。

俺と全く違う考えをしていたら。

両親のような極悪非道な奴だったら。

そう怖がっているのか。

そして､､｡そう出ないことを、、、願っているんだ。

そう思うとストンと落ちてきた。

まぁ、これから過ごしていくうちにわかるだろう。

もしかしたら明日俺と同様吠えメールが来るかもしれない。
ブラック家から来るのは不愉快だが実際に彼女が純血主義出ないとして、吠えメールが来たらどんな反応をするのか。
そう思うと少し笑いが込み上げてきた。

真っ暗になった天井を見上げながら目を閉じる。

明日が、幸せでありますように。

そう心に願いながら。