永遠に続く愛を[ポケモン短編集]

テル [産まれた時は違えど] ページ18

「テル先輩ー！」
「！A、調査は終わったのか？」
「はい！」
「そうか、お疲れ様」

俺の後輩であるAは不思議な奴だ
数年前ラベン博士が、Aを連れてきたのが始まりだった
Aは、故郷の事を覚えていなかったが、捕獲の腕は優れていた
入団してからは、不思議な事が立て続けに起こった
そのせいで疑われ、追放された事もあったが全て解決させてみせた

最近、そんなAを見ているとおかしいのだ
Aを見ていると胸が苦しくて、ずっと見ていたいと思うようになった
俺がおかしくなったのかと思い、周りの団員に相談してみた
そしたらニヤニヤした顔で、恋じゃないかと言われた
確かに、言われてみれば好きかもしれない

だけど良いのだろうか、告白して
Aには家があって、家族が居て、友達だって居て、、、きっとAを待っている
もし仮に、俺と付き合えば
帰る時に俺を気にするだろう

叶わないんんだ、この恋は
元々俺とAは、出会う事の無い命なんだ
諦めるしか無いんだ

ーーーーーーー
そんなある日だった
何時ものように明るい声で俺を呼び止める
「あっ、テル先輩！」
可愛らしい笑顔で駆け寄る想い人
何時もより嬉しそうな声音だった

「どうしたんだ？」
「実は、、、アルセウスが元の世界へ返してくれるんです！」

「、、、はｯ、？」
あまりにも唐突だった
いや、元から全てのポケモンに出会うという使命を受けヒスイに降り立った
だから、いつ帰えれるようになっても可笑しくない

、、、可笑しくないんだよ、祝うべきなんだよ
心が締め付けられる感覚なんて、こんなの感じちゃダメなんだよ、、、
「テル先輩にはお世話になったので、はやく報告したくって、、、！」
言葉が入ってこない
嫌だ、もうあの笑顔が見えない、、、
愛おしいAが話し掛けてくれないなんて、、、

ダメなんだよ、Aが居ないと
朝起こしに行くのも、一緒にギンガ団本部に行くのも、調査終わりに話すのだって、、、それが無くなるなんて、耐えられない
、、、逃がしてやるものか、絶対に
「そっか、良かったな」

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