〈26〉 ページ28
それでも、私は歩くことにした。
私は一体どうすれば良いの……？
一歩踏み出すと、武器を構えていた周辺の兵士は一気に私を囲んだ。見慣れた顔はいない。そしてすぐ後ろにはスウォンがいる。
スウォン｢A、待ってください。このまま行くとわかる通り、貴方も追われる身となります。…それでも、行くんですか？｣
彼の視線が私の背に深く突き刺さる。
『…スウォンなら分かるはずよ』
スウォン｢……ええ、その通りですね｣
スウォンは一旦目を閉じた。
そして今度は彼から私に近ずき、そっと私の耳元で囁いた。周りは少しどよめいている。
スウォン｢東門から出なさい。彼らは既に城を出ている。目的地は……そうですね。十中八九風牙の都でしょう｣
貴方はそんなことを考えながら、兵に城内の捜索を行わせるのね。なぜそこで優しさを残すのよ。なぜそんなこと教えてくれるのよ。
最後に振り向き彼を見る。
『……私達は話し合えたはずよ。でも、もう遅いのね』
スウォンを見る私の表情はどうなっているのだろう。分からない。自分では分からない。ただ、私を見るスウォンはどこか悲しげであった。
こんなことが起こる前に、相談して欲しかった。スウォンはいつもそうだ。自分で、1人で抱えるのだ。
何よりそれに何にも気づけなかったことが1番不甲斐ないし、悔しい。全く会えていなかったけど、それでも何かを抱えているのなら、友人としていち早く気づくべきだった。
スウォンは隠すことが上手くなっている。いつも以上に彼の腹の底が分からない
『……次は武器を向ける』
こんなことをスウォンに言う日が来るなんて。そして敵を見逃す選択をするなんて。なんて卑怯者なんだ私は
私に立ち塞がる数人の兵を八つ当たりのように全て投げ飛ばし、風雅の都がある方向の出口に向かった。
ごめん
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
すごい速さで兵を倒し、走り去る彼女をいつまでも眺めるスウォン。
ケイシュク｢…あまり"効いて"無かったようですね｣
スウォン｢Aは昔から道端に生えてるものを、何でも食べていたので身体が丈夫なんです｣
視線を下げたスウォンをケイシュクは見る
ケイシュク｢………なぜA様に本当のことをお伝えになったんですか？｣
スウォン｢……さあ、なんででしょう｣
微笑むスウォン
スウォン｢Aはヨナが大好きですからね｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» リクエストは前回にも述べさせて頂いたとおり、お作りすることはいたしません。理由と致しましては、作品制作に関してのリクエストは受け付けていないためです。長い期間をあけての返事となってしまい、大変申し訳ありません。引き続き読んで下さると嬉しいです！ (12月21日 23時) (
レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - この前の、リクエストの件書いてくださいますか？ (9月4日 7時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
クロウサ(プロフ) - 大丈夫ですよ。 (9月3日 3時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» すみません！！今誤字っているのに気が付きました！！初めて！じゃなくて初めまして！です！！すみません！！何とも恥ずかしい間違いをしてしまいました！！ (9月2日 23時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - クロウサさん» 初めて！コメントありがとうございます！こちらこそ この小説を読んで頂けてとても嬉しいです！リクエストなのですが、申し訳ありませんがお作りすることはいたしません。本当にすみません。成り代わりではありませんが、引き続きこの小説を読んで下さると嬉しいです！ (8月30日 22時) (レス) id: 4a50e4cc53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼月 | 作成日時：2023年3月21日 21時
