［暁のヨナ］赤龍は鈍感過ぎてヤバイのです 0.1 過去編

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『伝統…ですか』


おばさんの近くまでかけ寄り、籠の中を見る


『……綺麗な石ね…えっ、これを私が付けて良いんですか？！』


中くらいの大きさの凄く綺麗な青い石が隙間無く連なって出来ている首飾り



それと、小さく青い綺麗な石から紐が伸び、その先にモフモフとしたものが付いている耳飾りもあった



よく見ると、そのモフモフの根元に石とは違う青色の小さな物が飾りとして引っ付いていた



『(このキラッとした物…なんか見たことある、なんだっけな…)』



？「ええ、当たり前よ！貴方の…Aちゃんのために、用意されたものだもの」



『…私のために……、ありがとうございます！』


目頭が熱くなってくる


？「あっそういえば、この耳飾りの先に付いてるモフモフした丸いものあるじゃない？


それにくっ付いていた羽本体のものが耳飾り作っている時に折れてしまったのよ、ごめんなさい。


こちらの不注意で、貴方が大切に持っていた羽を…


だから、その羽本体に付いてたこの綺麗な瑠璃色のストーンだけでもって、モフモフに付けたのよ


羽が無くて、その先のモフモフしか付けられなくて本当にごめんなさい

後でその羽渡すわ、大切な羽なんでしょ？」



『え？私、その羽知らないわ？大切にって？…』



？「？Aちゃんが長(おさ)に風邪の都に運ばれた時、手で大切に持っていた羽よ？」



『…すいません、見覚えはあるんですが、分かんないです』


？「そういえば…(記憶喪失に近い形で今ここに居るって長が言っていたわね)…」


『……どうしたんですか？？』


？「いいえ、なんでもないわ。

それに敬語なんて要らないわ！
私はサヤよ、サヤって呼んでね

風邪の部族の医務官の仕事をしてるの

これからよろしくね！Aちゃん」


『あっ、はい！サヤさ…サヤっ、これからよろしく！』


？「ええ！」


二人は自己紹介し終わると笑い合った


？「…って！Aちゃん！早く服着ないと！寒くないの？！」


そう言われ、自分の体に目を向ける



布でどこも隠していない素っ裸状態


そういえば、少し寒い

いや寒いわ

くそ寒い


サヤから、そう言われさっきまで寒くなかったのがおかしいくらいに寒くなった


『…さ、さぶい…』


カタカタと体が震えだす


サヤ「Aちゃんたら まだ体すら拭いてないじゃない！」


拭く布を持ってないものでね


サヤは急いで柔らかくて分厚い布を何処からか取り出し、私の体を拭きだした

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