再会 side脇 ページ18
銀太たちから少し離れたところで腰をかける。
向こうからは見えないけど、こっちからは見える位置。
Aさんが何度か子供の方を確認して、安心したように腰を下ろした。
そこに昔の可愛らしいあどけなさはなくて、すっかり母の顔になっていた。
「あの子、愛らしかね」
「うん…」
「綺麗んなったね、Aさん」
「あり、、がとう……」
「んははっ、緊張せんでよ。取って食ったりせんけん」
「わっ、わかっとーよ!でも、、さ……」
下を向いたAさんの顔に、栗色の髪がかかる。
昔と変わらない髪の色。変わったのは、俺らかな。
Aさん、そんな顔できたんやね。
似合ってないって言ったら、前みたいに笑ってくれる?
「急におらんくなったのは、あの子がおったから?」
高2の夏、Aさんが学校を辞めたと聞いた。
決して頭のいい学校ではなかったけど、その中でAさんは自分の夢に向かって直向きに頑張っていた。
そんな姿を好きになったし、憧れた。
辞めたと聞いて理由を聞きたかったけど、その時にはAさんの連絡先は俺の手元から消えていた。
何の理由もなく辞めるはずはないと思ってたけど、子供がいるとは思わなかった。
普通に言ってくれればいいのにって思ったけど、Aさんの性格で言えるとは思わんしな。
当時Aさんと仲の良かった先輩も知らんかったし、一後輩には言わんか…
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Mb(プロフ) - めっちゃ好きです♡ 更新楽しみにしてます♡♡ (2022年12月7日 23時) (レス) @page15 id: 54d413bdc0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2022年11月25日 19時