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ふぉ「どーも。A、行くぞ」
店員「あ、ありがとうございましたっ」
サッサと袋を持って出て行った絃歩の後を追いかける。
あーあ、オッサンビビってんじゃん。
あんなんに睨まれたら怖ぇーつの。
「見とったんやな。セクハラ現場」
ふぉ「ったく、嫌なら嫌って言え！昔っから我慢ばっかり覚えやがって」
「へぇへぇ……もう慣れたんよ」
ふぉ「慣れんな、あんなの」
「ふっ…カッコええな、俺の従兄弟は」
ふぉ「惚れた？」
「しね」
なんだかんだ、こいつには敵わねぇんだよな。
カッケェし。
ふぉ「タバコ誰の？」
「俺と銀」
ふぉ「珍しくね？」
「気分」
ベビースモーカーの絃歩と違って、俺はたまにしか吸わない。珍しがるのも頷ける。
ふぉ「あんま吸い過ぎんなよ」
「そっくりそのまま返すわ」
ふぉ「俺はいいけん、別に」
「良いわけねぇやろ。タバコなんかで死んだら、俺が殺すったい」
ふぉ「んはっ、怖ぇーの」
静まり返る車内で、ミラー越しに絃歩を見る。
窓に手をかけタバコふかしてるだけで画になるんだから、イケメンってのはずるい。
こいつは男から見てもカッケェ奴だ。
昔から女の子みたいと言われて育ってきた俺は、男らしさに憧れている。
だから絃歩の真似をすりゃカッコよくなれんじゃねぇかって、タバコを吸い始めたけどうまくいかねぇ。
「髪切るか」
ふぉ「は？！ダメたい」
「何でや。いいやろ、髪型くらい」
ふぉ「俺が嫌っちゃん」
何だよそれ、ジャイアンかお前は。
まぁ！切らねぇだろうな。
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作者名：天ヶ崎音 | 作成日時：2022年11月28日 23時
