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「すいません、余計な事して」
彼氏と言われて、内心飛び跳ねていた。
すぐ横でAさんの匂いがして、そのまま無茶苦茶にしてやりたくなった。
「ありがとう」
Aさんは、知らないだろうな。
その言葉が俺の邪な気持ちに十字架を背負わせる事を。
Aさんが苦しそうに笑うたびに、尊敬してるはずの社長を殴りたくなる事を。
そんな苦しそうな笑顔、1番似合わねぇのに、あんたにそんな顔させる男が、あんたに1番似合ってんだよ。
「泣かないんですか?」
少し、意地悪してやる気持ちだった。
「そもそも、付き合えるとか、、はなから思っとらんから」
悔しげに吐き捨てるように言った言葉に、俺は自然とAさんを抱き寄せていた。
胸元が湿って、Aさんの嗚咽が聞こえ始める。
「ちかさんってさっ……バリ美人やったよなぁっ、」
俺は、Aさんより綺麗な人を見た事ねぇよ。
あんたより綺麗で、中身まで出来上がったやつ、この世にいない。
俺は、Aさんが好きだ。
「私じゃ敵わんなぁっ……」
俺も、敵わねぇよ。
俺がどれだけ好きだと叫んでも、力強く抱きしめても、あんたの心から、あの人は消えない。
なぁ、教えてよAさん。
俺は、どうしたらいいんだ?
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なる - 久しぶりに泣きました!こんなに良い作品を作ってもらってほんとに感謝です、、!ありがとうございます! (2023年1月27日 21時) (レス) @page33 id: 0a17aac8c4 (このIDを非表示/違反報告)
コットン - 毎日更新してくださりありがとうございます!次のお話も待ってるよ(о´∀`о) (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: cdf631467a (このIDを非表示/違反報告)
サママリネ - めちゃ良かったです! 次のお話も楽しみにしてます✨ 更新頑張ってください❤️🔥 (2022年11月13日 8時) (レス) @page33 id: accb57b751 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天ヶ崎音 | 作成日時:2022年10月30日 23時