貴方は何者……？［2］〈Ren.N〉 (ページ26)

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美「明日香は、ジンくんの人柄に惚れたと言ってたの。初めて私の内面を見てくれる人が現れたって凄く喜んでた。」

『でも、本気で好きだけど、明日香が嫌だという人もいた。その中で特にしつこかったのが、手越ホールディングスの、手越祐也』

美「あまりあそこの御曹司はいい噂を聞かないの。だから、私達も警戒しておいた方がいいと忠告しておいた。」

『案の定、彼はあまり女癖が宜しくなかった。でも明日香にあった日から、女遊びを辞めたらしいの』

美「だからといって、彼への人望は薄かった。だから、私達はやめた方がいいと言って、明日香もその縁談を断ったの。何度来ても」

『その結果、逆恨みされた』

紫「…なんで御曹司のこと言ってくれなかったんやろ」

海「…教えて欲しかったな」

岸「…」

廉「…俺らってそんなに信用ないねんかな？」

その時、私の中の何かが切れた。

『…それは違う。
ジンは、ジンなりにずーっと悩んでた。私も相談された。言った方がいいのか、言えば楽になれるんじゃないかとか。でも、彼は言わないの一点張り。痺れを切らした私は、何故か聞いた。そしたら、なんて言ったと思う？

"俺はさ、俺の都合にメンバーを巻き込みたくない！とか、傷つけたくない！っていうことじゃなくて、御曹司として接して欲しくないんだよ。だから、言わないんだ。

今、Aさんのことだから、メンバーならそんな事しないって思ったでしょ？でもね、そんなに上手くいかないの。

やっぱり御曹司としてって言うと、あ、そんなこと言うんだ、御曹司もとか、へ～、御曹司もそういう考えがあるんだとか言われるわけ。ほんとに嫌なの。そういうの。メンバーを信用してないわけじゃないけど、もう少し落ち着いたら話すつもりだから。

…それがいつかはわかんないけどね"

そう言ってた。私も、少し思った。あぁ、そう思われてもおかしくないなって。』

皆は黙った。

『ジンはみんなのことを信用してないわけじゃないの。やっぱり、怖いんだよ。そういうことを打ち明けるのって。だから…待っててあげてくれないかな？』

みんなは少し黙って、

岸「そーだよな。ジンにも事情はあるもんな」

廉「俺らが無理に問い詰めるのは良くないな」

海「…待ってあげようよ」

紫「…ごめん。変なこと言って」

『そう思っても仕方ないよ。』

美「…ねぇ、A」

『何？』

「海ちゃんが尊いんだけど」

…は？

『え？この空気で？それ言う？』

皆が笑った。