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ねぇなんで居なくなったの、なんて言葉を零した彼の瞳は潤んでいて、ハッとした私はつい気を緩ませてしまう。
自分の声が、無意識に元に戻ってしまったことにも気づかなかった。
先程まで声を変えるために締めていた喉が、すっかりと緊張感をなくしたように柔らかくなっている。
無理に喉を締め付けて声を出すことは喉を痛める原因にもなるので昔の私なら絶対にやらない荒業だったが、この必死の抵抗でも彼は気づいてしまった。
彼の手が震えているのが分かって、その手が振り解けない。
自分の声ですらも、今は震えていた。
『やめてよ……私はもう、歌い手なんかじゃないんだから』
ま「そんなの関係ないよ。僕が好きなのは歌い手のAだけじゃない。いつも僕らを励ましてくれたAも大好きなんだ」
『……だからって、普通ここまで来る？せっかくみんなから離れたのに、私の努力を無駄にするつもりだったの？』
私がそう言って目を逸らすと「Aが気をつかってくれたのに、それは悪いと思ってるけど……」なんてごにょごにょと言い出したまふくん。
しかし、逃がしてはくれないようで手は力を緩めることなくしっかりと握られていた。冷たい少し骨ばった大きな手が自分の手を握っている事には違和感しかない。
この2年間、吹っ切れる事ができず引きずりまくっていた私なのだ。恋愛なんて出来るはずがないだろう。
あーもう、これからどうしよう……茜も待たせてるし、早く合流しなくちゃいけないのに……
ま「で、でも、僕会いたかったんだよ！急に居なくなるし！LINEもTwitterのDMもメールも返信こないし！」
『う、うん分かったから……』
ま「Aはなんも分かってない！」
『あのねまふくん、ここ路地裏だけどあっちは人通るんだからここで騒いでるとバレるんだよね』
大きな声を出すまふくんに注意すると、ハッとしたらしい彼は路地裏を見ながら通り過ぎていく人達を発見して途端にやってしまったという顔をしていた。
相変わらず、天才で何でもできるくせにどこか抜けている。
いやでも、そんな彼だから昔の私はまふくんと仲良くなれたのだけれど。
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彩花/ayaka(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年8月18日 9時) (
レス) @page28 id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)
或世(プロフ) - 更新もう無いですか??? (2022年1月10日 23時) (レス) @page28 id: 8e7d4db9f1 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 初見です！あの…途中泣きました(っω<`｡)そらるさん…（泣）ずっとそらるさんだけ残っていたんだ…やっぱりそらるさんは優しいな(っω<`｡) (2021年12月27日 1時) (レス) @page28 id: 627a75f878 (このIDを非表示/違反報告)
半チャーハン大盛りで - 続きがめっちゃ気になりはる…更新もうやめてしもうたんかな…？ (2021年12月20日 23時) (レス) @page27 id: f51034a641 (このIDを非表示/違反報告)
霧雲＠こたぬき - 何度見てもええ話やなぁ、泣ける。。。続き楽しみにしてますねぇー！（関西弁続きだとは・・・） (2021年9月26日 1時) (レス) @page27 id: d5c18e25b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シュリンク＆starlily x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年5月6日 0時
