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『ありがとうございましたー』
誰かへのプレゼントなのか、かわいい雑貨を買っていった男の子の背を見送りながら、微笑ましい光景だと頬を緩ませる。
しかし、私にはそれよりも気になること……というか、気にせずにはいられないことがあった。なんなんだあの人。もしかして、あれで隠れてるつもりなのか。
私の視線の先にいるのは、先程からチラチラと店内を見たり見なかったりしている向かい側のカフェに座っている白髪のイケメン。サングラスをしてはいるが、間違いなくまふくんである?
ていうか、なんでそれだけの変装でバレないと思ってるのよ!!目立つでしょその髪色!!
茜「A、あれ昨日のイケメンだよね?」
『そうだね』
茜「……あれでバレてないと思ってるのかな」
『いやほんとにね……昔からあの子変なところで抜けてるんだよ、それ以外は完璧なのに』
じゃああの人残念系イケメンだったのか、と言い出した茜は遠くを見るような目をしていた。
そんな目で見ないであげて、まふくん根はいい子なんだから。そんな風に思っていると、急に思いついたようにポツリと呟いた茜。
茜「……なぁんか、ずっとあの状態で居られても不審者にしか見えないし、営業妨害になりかねないよねぇ」
『あー……白髪とか目立つしね。身長も高いし、見るからに怪しい』
茜「職質される前に保護してあげるべきだと思うけど、どうする?」
まぁでも、昨日1回だけちゃんと話がしたいって言われたからなぁ……それに、私もその話に肯定の返事を返してしまった訳だし。
あと見るからに怪しい白髪に店の前をうろつかれてたらまじで風評被害を受けかねない。これは、確かに職質される前に保護しに行くべきだな。
そうは思っても私は今レジをやっているので動けないので、茜に呼んでくるようにと頼んでしまった。女の子苦手だったり人見知りだったりするのは知ってるけど、今は忙しいし妥協して欲しい。
ごめんね、と思いながらもレジでお客様への対応をしていると連れてこられたらしいまふくんが縮こまりながら私の方へ歩いてきた。
ま「あ、えと、Aちゃん……」
『白髪だと目立つからね。それと、サングラス外さないと不審者にしか見えないから気をつけてね』
そう言うと、彼はハッとしたような顔をしてサングラスを外した。
やっぱり、まふくんは素の顔が一番だなと思った。
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彩花/ayaka(プロフ) - 更新楽しみにしております。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page28 id: cbcf5b3031 (このIDを非表示/違反報告)
或世(プロフ) - 更新もう無いですか??? (2022年1月10日 23時) (レス) @page28 id: 8e7d4db9f1 (このIDを非表示/違反報告)
結衣(プロフ) - 初見です!あの…途中泣きました(っω<`。)そらるさん…(泣)ずっとそらるさんだけ残っていたんだ…やっぱりそらるさんは優しいな(っω<`。) (2021年12月27日 1時) (レス) @page28 id: 627a75f878 (このIDを非表示/違反報告)
半チャーハン大盛りで - 続きがめっちゃ気になりはる…更新もうやめてしもうたんかな…? (2021年12月20日 23時) (レス) @page27 id: f51034a641 (このIDを非表示/違反報告)
霧雲@こたぬき - 何度見てもええ話やなぁ、泣ける。。。続き楽しみにしてますねぇー!(関西弁続きだとは・・・) (2021年9月26日 1時) (レス) @page27 id: d5c18e25b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリンク&starlily x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2019年5月6日 0時