37話* ページ37
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私に気付いたらしい皆が一斉にこちらへ走ってきた。
それに気づいたらしいセンラも「げ、」と露骨に嫌そうな声を出して、一歩後ずさった。そんな分かりやすく表情に出すのはどうかと思うんだけど……
まず一番早くに寄ってきた坂田が「これどういう事なん?!」と言いながら私の肩を掴んですごい勢いで前後に揺らしてきた。
そ、そんなに揺さぶったら酔うわ!!
「ちょ、待って……まじで酔ってきた……」
少しクラクラしてきたのでさすがにやばいと思い、他の3人に助けを求めようと視線を向けた。皆呆れた様な顔をしていたが、志麻先輩が徐に溜息を吐いて「坂田、離したれ」と引き剥がしてくれた。
さすがは先輩。頼りになりますねぇ
「……んで、Aサン、話聞かしてもろてもええ?」
「(いや、前言撤回!ただの悪魔だわこの人!!)」
軽く微笑んでるけど、今はその八重歯でさえ凶器に見えるんですけども。
私は渋って「あ、えっと……」と言葉を濁していると、薄暗かった辺りが急に明るくなった。驚いて、それにつられるように振り返ると、ツリーに施された光の装飾が輝いていた。
私が最後にこの5人で見たかった、イルミネーション。
「……最後にさ、思い出、作っておきたかったんだよ」
みんなには背を向けて呟いた。
この5人で集まれるのは今日だけかもしれないしさ、と微笑みながら振り返れば、何故か4人の顔がほんのり赤く染まっていた。
「そういうとこ、ほんまに狡いわ……」
いや何が狡いんだよ、と思ってはみたが、あまりにもセンラの顔つきが艶っぽくて何も返せずにそのまま視線を逸らした。
無駄に綺麗な顔しやがって……
「寂しいからみんなで遊びたい〜って、最初から言うてくれたら良かったんに」
「だだだ、だれが寂しいなんて思うか!!!」
「先輩、図星じゃないですか」
「う、うるさい……!」
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ちょこ - とてもよかったです!それぞれと結ばれたあとのお話が欲しいです! (2019年8月17日 15時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - ちゃちゃるさん» ありがとうございます! 更新頑張りますね! (2019年4月12日 18時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃる(プロフ) - めちゃくそ面白いです!!!!続き楽しみに待っています!!!!!!!!! (2019年4月7日 17時) (レス) id: f718a04fcb (このIDを非表示/違反報告)
シュリンク(プロフ) - スイ(さぶ)さん» そうなんです!ゲームと同じ設定にしたので若干呼び方や口調などに違和感等々あるかもしれませんがその場合は緩く目をつぶってくださると嬉しいです(汗)コメントありがとうございました! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
シュリンク(プロフ) - ゆずの実さん» ありがとうございます(汗)更新2人共々頑張りますのでこれからも作品にお付き合い頂けますと嬉しいです! (2019年1月7日 22時) (レス) id: 7f0c200b78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュリンク&ハゲつるマン x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年12月22日 11時