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『それぞれの「攻略難易度」に応じてポイントを設けてある！！』
今度は配管工おじさんご本人のイラストと、コインのマークが表示された。なるほど分かりやすい。
国民的は伊達じゃなく、誰もが一度はやったことがあると言えるゲームだけに、イメージがしやすい。合理的だ。
『各々なりの"個性"で"仮想
行動不能！
あのゲームに則ると、勝つためには『敵を潰す』という条件が付いてくるのではと思っていたのだが、なるほどそれなら、攻撃型の個性じゃなくても何かしら出来るのかな。
『もちろん他人への攻撃等、アンチヒーローな行為はご法度だぜ！？』
プレゼントマイクの言葉にみんなが当たり前のことのように聞き流すのを横目に、肘でうりゃうりゃと爆豪の脇腹を突いた。ほっぺをつねられた。
「いひゃい……」
ぺしぺしと私の頬を伸ばす腕を叩くと、すぐに解放はされたが痛みはまだ少し残った。どんだけ強く引っ張ってくれてんだコンニャロ。
「……質問よろしいでしょうか！？」
『！』
腹から声出してんな〜！ と思わせられる気持ちのいい声だった。声の主は三、四列、斜め前くらいに座っている男の子。ピシリと突き上げられた腕と声がどことなく彼の性格を表現している。
「プリントには
誤載であれば日本最高峰たる雄英において恥ずべき痴態！！」
手に持つプリントをバシッと叩いて述べたのは質問というか……怒り？
そのように聞こえる。おいおい痴態って！！ 何気酷いな！！！
「我々受験者は規範となるヒーローのご指導を求めてこの場に座しているのです！！」
別にええやん(ええやん)。
良くないらしいけど。
語彙力豊富だな。頭良さそう、つか制服が聡明だし実質良いか。え〜頭良い中学出身の人ってみんなあんな感じなのかな〜。
主にまだ顔も存在も知らぬクラスメートに、早くも幸先不安になってくる。雄英でなくとも、こういう人間は他校には一定数いるものだろう。だって私の中学、頭良いわけでも悪いわけでもないような所なのに爆豪がいるもん。
だって爆豪だよ？
「ついでにそこの縮毛の君」
立ち上がって発言した彼をボケーッと見ていると、視線に引っ張られたようにくるりとこちらを向いた。自分が違うと分かってても、一瞬、ビクつく。
眼鏡の彼の指先は、私の二個隣に向いていたらしい。
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作者名：泡沫 | 作成日時：2018年7月21日 21時
