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「ボイスヒーロー、プレゼント・マイクだ、すごい……！！」
そだねー。
「ラジオ毎週聞いてるよ感激だなあ」
あ、私も聞いてる〜。
「雄英の講師は皆プロのヒーローなんだ」
給料ってどうなってんだろ……どっちの方が良いのかな……
三人に相槌をうったように見えるかもしれないが全てこれ、緑谷くんの独り言である。
そう、緑谷君も雄英志望だったのだ。私と彼と私の隣の爆豪とを合わせて、私の中学からは三人もの雄英志願者が出たわけだ。
「うるせえ」
私の隣では爆豪がばくごうらしくしてる。
片や、うおお……！と昂りをブツブツとキラキラと表現する緑谷くん。あれ、なんか擬音が二つで噛み合ってない。
片や、他の受験者と同様静かに、そしてマイクに無反応だった爆豪。彼が特異なのは、この地味に小うるさい緑谷くんと、さっきから不本意ながら一人でプレゼントマイクにリアクションしてあげようとしている私に両サイドを固められたことだけだと思われる。
同情はせんが。
『入試要項通り！ リスナーにはこの後
10分間、模擬市街地演習を行ってもらうぜ！』
さっとモニターにざっくりとした地図が浮かぶ。ざっくりとしすぎていてこれは地図と言っていいものか言い澱むような……図か、これ。
『持ち込みは自由！ プレゼン後は各自指定の演習会場まで向かってくれよな！』
そう言われて、各々が自分の指定された会場を確認し始め、紙をめくる音が重なり合って騒音になった。私もそれを重ねる。
「なるほどな」
「ん？」
声を発したのは爆豪である。不意なことで、パッと彼の顔を見ると、もうその顔は緑谷くんの方を向いていた。
「
「ホ、ホントだ。受験番号連番なのに会場違うね」
そうなの？と私も隣の爆豪の指定会場を覗き見て、爆豪越しに緑谷くんのも盗み見た。緑谷くんは爆豪のを見たところで「見んな殺すぞ」とドスを効かされていた。
めっちゃ怒るやん。
「てめェを潰せねえじゃねえか」
「えぇ……」
およそヒーロー志望と思えない表情と発言である。いいのか。緑谷くんも困り顔だ。
爆豪って舌打ち上手だよね。
ちんぴらカナ！！！
今日の朝ごはんはきんぴらごぼうだった。
『演習場には"仮想
講堂前のモニターが演習場図から、某国民的配管工おじさんゲームの敵キャラのイラストと、演習場のイメージ図に変わった。
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作者名：泡沫 | 作成日時：2018年7月21日 21時
