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「……は？」
心底わけがわからない、というようにポカンと口を開く爆豪くん。
「まぁ例えばの話よ」
私は人差し指を立てた。
「体育館裏で編糸が告白されてるの見たらイラっとくるでしょ」
実際結構あるし目撃するし友人数名が私に報告してきたりもする。というか本人が言ってくる。
訝しそうに私を見つめる爆豪くんをよそに、私は続け、次に中指を立てた。
「一緒に歩いてて、途中でたい焼き屋さんあったとして、編糸が食べたそうにしてたらちょっと買ってあげたくなってくるでしょ」
私は先週買った。代わりに一昨日アイスを奢ってもらったが。
「雨の日とかに編糸が傘差してはしゃぎながら外出て行ったらこけないかなって心配になるでしょ」
最後に私は薬指を立てる。
それは中学生に対して心配することなのかと聞かれたとしても実際彼女は、そういう反応をするし、転びかねないのも事実。
爆豪くんは私が並べたコトを少し考えて、噛み砕いて、そしてまた私を見た。
つまりどういうことか聞きたいのだろう。
私はニコリと笑った。ちょっと言いづらいし、言ったら私もそういう感情を持っているのだという告白になってくるんだけど。
まぁ良い、別に減るもんじゃないし事実だもんねと口を開いた。
「人はそれを親心と呼びます」
恋心と言わずにこう呼ぶんだよ。
「喧嘩売ってんだな？」
「君ってからかうと面白いよね」
「死ね」
あっはっはと哄笑し、爆豪くんを置いて私は自分の鞄を掴み上げ帰路を駆け出した。
行き先は某堤防！ アクセル全開！
「おい！！」
「まだなんかあるのー！？」
「俺が持ってきたこと言うんじゃねーぞ！」
人への思いやりが恥ずかしいのだろう。お年頃って感じ満載で大変素晴らしいと思うわ。
「おっけ！！」
私も青春を駆ける女の子らしく笑顔で叫んで返した。頭の中で銀魂のオープニングが流れるのは私だけなんだろうか。
兎にも角にも、私は夕焼け空に飛び込んで、大好きな君を呼んだ。
──────
(主人公が登場せずに6ページも使っちゃいました。この話文字数もいっぱい余りました)
(次回から原作沿いスタートです。
原作での１話、ヘドロ事件はやりません！残念！(私が)
ヒズモリくんもしーちゃんもここでバイバイです〜寂しい〜ヒズモリくんに至っては無駄にキャラ名だけ立てた〜いずれ番外編とかで出すんだもん〜)
三百人に一人は文殊の知恵(４)→←恋心と呼ばずになんと呼ぼう？(３)
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作者名：泡沫 | 作成日時：2018年7月21日 21時
