きみの理解者 ページ4
少し日が落ち、オレンジに染まった公園では、まだちらほらと子供が残っている。
それなりに広い公園でベンチのすぐそばに遊具があるため、目が届いて安心、と近所のママさん達には人気の場所だ。
そんな場所で、私はとある子供を探していた。
「典明くーん？どこー？お菓子あげるから出ておいでー」
まさか誘拐かと思った人は安心して欲しい。
私にそんな肝っ玉はないし、やるならこんな分かりやすいやり方しない。
え？安心できない？
...まぁとにかく、誘拐を目論んでいるわけではない。
私が今探している子供は私の姉の子供。つまり甥っ子である。
久しぶりに姉さんの顔を見にお邪魔したら「典明がいないッ！！」ってエシディシもビックリのオロロン具合で出迎えられたもんだから、お手伝いしないわけにもいかず。
渋々この町を練り歩くこととなったのだ。
探してからもう1時間は経っている。だというのに一向に見つかる気配はない。
はぁ、と色々な感情を込めたため息がもれる。
あまり考えたくはないが、最悪の場合もあるかもしれない。
姉さんに心の準備をしておくよう言うべきだろうか...
姉さんは昔から落ち着きのない私のかわりに常に冷静でいることを心がけていた。
それ故にこのようなことが起こると糸が切れたように落ち着きをなくす。
だからあまり不安になるようなことは言いたくない、が。
言わなかったら言わなかったでどうして伝えてくれなかったと怒る様がありありと想像できる。
見つかる可能性があるなら、伝えるのが義務だろう。
と、やはり電話をかけることにして公衆電話のある方向へ体を向けた、その時だった。
エメラルド色に輝く、儚い結晶たちを見た。
それらはほんの少し暗い空を明るく照らすように降ってきていた。
驚いてとっさに降ってきた方に目を向ける。
するとそこには、街頭の上に座る少年がいた。
艶のある赤い髪に、この年頃にしては少し白い肌。
子供らしいクリクリの目は、私をしっかり視界に入れていて。
この子、もしかして。
「典明、くん？」
「...ぼくのことしってるの？」
...ビンゴ。
確信を得ると次に浮かぶのは疑問。なぜ、いやどうやって街頭の上にいる？
「典明くん、どうしてそんなところにいるの？」
「...いわない」
言いたくない、ではなく『言わない』ときたか。
「なんで？」
「だって、おねえさんはしらない人だ」
...そっからか。
ああ、この少年から話を聞くのは、随分骨が折れそうだ。
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しゃけなすび(プロフ) - クロノトさん» コメント感謝です！！親子設定は夢があって大好きなのですよ。クロノトさんの推しを書けて良かったです(^-^) (12月25日 1時) (
レス) id: 7f91487afd (このIDを非表示/違反報告)
クロノト(プロフ) - DIOと親子編推したちが居る…好き… (12月24日 22時) (レス) @page13 id: 1666289728 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけなすび(プロフ) - アルマさん» コメントありがとうございますぅ...！！本当に励みになります！スピードワゴンのやつは私も結構気に入ってるので嬉しいです( 〃▽〃) (6月6日 1時) (レス) id: 7f91487afd (このIDを非表示/違反報告)
アルマ(プロフ) - やばいスピードワゴンのやつ好きすぎて何度も読むたびに興奮が溢れかえってくるめちゃくちゃ私得ですほんとありがとうございますごちそうさまでした…！！！！！ (6月3日 21時) (レス) @page8 id: aea966972a (このIDを非表示/違反報告)
しゃけなすび(プロフ) - このしゃけなすびの最も好きなことの一つは、自分の作品にコメントが届くことだ！！もうまじほんと嬉しいですありがとうございますがんばりますッ！！ (2023年3月3日 18時) (レス) id: 7f91487afd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃけなすび | 作成日時：2023年2月27日 1時
