第38話 自覚 ページ42
卓巳side
床に倒れそうになったAを、慌てて支える。
初めて掴んだ腕は、細くて今にも折れそうに感じた。こんな事くらいでも意識してしまう。
Aは安心した顔をして、ほっと息を吐いた。
「あはは……ごめん、重かったでしょ？」
苦笑いするA。
いや、重いどころか軽すぎるくらいだって！
「逆だよ、ちゃんと飯食え」
ため息をつきながら言うと、驚いた顔で言い
返してくる。
「いや、食べてます！」
ホントかよ……
ふと、視線を下に落とす。
「っ………！！」
顔が赤くなるのがわかる。
Aの服は、少しサイズがでかいみたいで
胸元がゆるい。
しかも俺はAを見下ろす形。
やばい、これはやばい。
「卓巳くん、顔赤いよ？」
Aにも顔が赤いことバレたし！
っていうかとにかく、この状態はまずい。
Aの腕を軽く引っ張って立たせる。
「あっ…！！」
急にそうしたのでびっくりしたのかAは俺の所に倒れ込んできた。
「急に引っ張らないでよ！びっくりしたじゃん」
笑いながらも、ちょっと怒った表情のA。
さっき自覚したばかりのこの感情は、抑えられない
みたいで。
俺は思わず、Aの腕を握ってしまった。
それに気付き、俺を見上げてくる。
「どうかしたの？」
その声で我に返って、パッと手を離す。
何やってんだ、俺は！
「い、いやそのなんというかあの」
慌てて弁解しようとするも、いい言い訳は
見つからず。
どうしようか考えていると、ドアが開いた。
「ご飯だよーAちゃん、卓！」
「わぁ、楽しみ！今行きますね！」
Aは俺に聞いたことも忘れて、亜美姉の後をついて行った。
「よかった……」
独り言を言って、亜美姉達の後を追った。
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まりも(プロフ) - 時雨 都さん» ありがとうございます！これからも頑張りますのでよろしくです！(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2016年9月14日 20時) (
レス) id: 7ccd4d3623 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 都(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！ (2016年9月14日 19時) (レス) id: cd89bf99bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも | 作成日時：2016年8月9日 16時
