リドル先輩に男装バレしてしまった監督生の話。【リドル･ローズハート】 (ページ9)

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8話ページ9

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「……で、なんなんだよ。俺ら部屋に戻ろうとしてたんですけどー？」

『はあはあ。ごめん…』

どうにかこうにかメインストリートまでやってきた私達。
私は緊張の糸が解けたせいか若干息切れしつつも、これまで起きた一連の出来事を包み隠さず2人に話した

『実はかくかくしかじかで……』

「なるほど？要はトラブルで監督生のとある秘密が先輩にバレて、口止めしようにも先にやらかしちまったせいでどうにもこうにもできずにいる……ってことか」

『そうなんだよ』

「というか、そのとある秘密って？」

『それは……秘密だけど』

私が男装をしていることは、実は学園長とグリムくらいしか知らない。学園には鼻が利く獣人や勘が鋭くて頭の良い人もたくさんいるだろうから……という学園長の見立てで、私には女性だとバレないよう特殊な魔法が掛けられているからだ。

『(まあ、流石に直接身体を見られたらそれも意味無いんだけどね……)』

今回のローズハート先輩の件は別として、むやみに誰かに秘密を教えてはならないと念を押されている以上、私も今まで隙を見せたことはなかったし、万一の可能性も考えて色々なことを徹底してきた。

だから、助けてもらっておいて心苦しいけど、今更このアホの子と小学生みたいなヤンキーに秘密を打ち明ける訳にはいかないのだ。

「え～？なんだよそれ、俺らにも言えない秘密ってこと？そう言われると余計気になるじゃんかよ！」

「エースの言う通りだな。まあ、無理に話せとは言わないが……そんなに重要なことなのか？」

デュースが遠慮がちに私の顔を覗き込んでくる。
割と慣れてきた方だけど、やっぱりこの男子特有の距離の近さは心臓に悪い。

というか、デュースもそうだけど、どいつもこいつも綺麗な顔しやがって……

『うん…ごめんね。いつか話せる時が来たら話そうかな』

「ふ～ん？ま、いーけど。そのうち絶対聞き出してやるから覚悟しとけよ」

ニヤリと不敵に笑うこの男も、やはり整った顔をしている。揶揄う様な口調をしているものの、これ以上踏み込もうとしてこないあたり、なかなかスマートなやつなのだ。

『(男子高だから彼女とか作れないだけで、共学だったら2人ともエグいモテ方してたんだろうなぁ…)』

女子はクールな男子が好きらしいし、その点デュースなんかはかなりいい線いってると思うし。アホの子だけども。

「それより、Aは寮長との件で悩んでるんだったな。」

『あ、そうそう。で___』