リドル先輩に男装バレしてしまった監督生の話。【リドル･ローズハート】 (ページ11)

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10話ページ11

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____実は私には元の世界にいた頃からの特技があった。ボードゲームだ。特にチェスは得意な方で、この学園にボードゲーム部なるものがあると知ってからは入り浸るようになるのに時間はさほどかからなかった。

『……ということがありまして、イデア氏とアズール先輩の見解をお聞かせ願いたいのですが』

「はあ…」

そんなわけで、今はアズール先輩とオセロで対局をしている。パチン、とオセロの駒を盤上に置きつつ、アドバイスを求めてボードゲーム部の部員であるイデア氏とアズール先輩に先日のリドル先輩との出来事を赤裸々に語ってみせた

「なるほど…で、僕に相談事とは、代わりにどんな対価を要求しても構わないということでよろしいですか？」

ふふん、と独特の微笑を浮かべて手を組むアズール先輩の駒の動きを見ながら次の手を考えつつ、私は素っ頓狂な声を上げた。流石先輩、抜け目がないといったところか

『ええっ、こんな雑談程度の内容すら対価を支払わなきゃならないんですか…？！』

「ふふふ、冗談ですよ。……そうですね、僕もリドルさんとは時々テストや学園について寮長としてお話させていただくことがありますし、親しいとまではいえませんが、知らない仲ではないですからね。」

『よかった…です。アズール先輩が言っていた通り、私は魔法も使えないし、身一つでこの世界に来てしまったので、差し出せるものもあまりないんですよね』

場を和ませようと自嘲ネタを披露してへらりと笑ったつもりが、逆にその場の空気が凍ったかのように、突然2人が黙りこくってしまった。

『(あれっ？お、面白くなかったかな…そりゃそうか、私の話なんて…)』

「……か、かっ、監督生氏」

『あ、はい。なんですか？イデア氏！』

「せ、拙者……学友はおろか同級生との交流もす、少ないゆえ、あっ、アズール氏のようにたいしたアドバイスができるとは思わっ、ない、が……しかし、僕で力になれることがあれば、そ、その、いつでも……」

先程まで私とアズール先輩の対局を見ていたイデア氏が指先をモジモジさせながら言葉をかけてくれて、私は思わず感嘆の声を漏らした

『イデア氏…！』