世界に六人 ページ7
「そういうことですね……」
「おい、お喋りしてる場合じゃねぇぞ、あいつが攻撃してくる」
「…やるしかないか」
「あぁ……Aさん、申し訳ありませんが、力づくで行かせてもらいますよ」
三人がマイクを起動する前にAはリリックを放つ
「ッ……!」
「クッソ……!」
「っ……」
三人ともまた正面からくらい、よろける
「チィッ…舐めやがって…って!」
前を向いた時にはAはもうかなり遠くの方まで走っていた
「三人相手に勝てるわけないだろ、ここはとりあえず逃げるしか…!」
「おい待てや!」
「逃すか!」
Aは後ろを振り返りながら必死で走る が所詮子供の足、すぐ追いつかれそうになる
「あと少しで路地裏……路地裏にさえつけばこっちのもんだ!」
やっとの思いで路地裏に入ると小さな体でスルスルと障害物を避けていく
「逃げても無駄だって……言ってんだろぉが!!」
「くっ……!」
左馬刻が背後から追ってくるが、ここで止まるわけにはいかない
ゴミ箱を倒して時間を稼いでいるとようやく気づく
他の二人が居ない
「あっ…!」
曲がろうとした角から銃兎と理鶯が飛び出してくる
「っ……!まずい!」
急いで止まろうにも勢いのついた体はそう簡単には止められない、ドンっと思い切りぶつかりそのまま地面に押さえつけられる
「離せ!離せよ!」
ジタバタ暴れるがビクともしない
「大人しくしろ、さて…全て吐いてもらいますよ、署でね」
そしてそのまま手錠をつけられAは連行された
「それで、なぜこのような犯行に?まぁあらかた予想はつきますが」
小綺麗な部屋の中で銃兎とAは向かい合って座っていた
「A、11歳、両親は既に他界、叔母の家で暮らすも叔母がまた何者かによって後頭部に大怪我…その後孤児院に引き取られたあと…この生活に、で合ってますね?」
「……ん」
Aは俯いて答える
「なるほど……そんなあなたがなぜヒプノシスマイクを持っていたんです?それは子供がもつには危険すぎる」
「…………」
Aは黙ったまま何も言わず下を見つめている
「言えないならそれでもいいですよ。あなたのその様子だとどうせ口を割らないでしょうし」
「……」
「……はぁ、まぁいいです、とにかく今日からは理鶯のところに来ていただきます」
「は、なんで」
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作者名:なんかそんな感じの何かさん | 作成日時:2022年9月17日 13時