俺達は女忍びを捕まえた。【刀剣乱舞】 (ページ8)

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その8 ページ8

髪の白い青年に連れられて入ったのは、大勢の人が集まる広間のような所だった。

「あの、私は御膳だけ受け取って部屋で食べます。」

「いいや、君は俺の隣だ。ほら座った座った」

彼はそう言うと隣の座布団をポスポスと叩く。

「残したら許さないぞ」

「大丈夫です、毒も食べてきたので.....アッ」

まずい、今の言い方だとまるで「料理がいくら不味くても毒には敵わないだろう」という強烈な嫌味に聞こえてしまう！！！

「なかなか言うじゃないか」

やはり少し落胆してしまっているのか、先程よりも肩が落ちている

「いや、あの違うんです。美味しいです、すいません」

昨日からずっとこんな感じだ。

ここまで自分のペースを崩されたことは今までない。

私が箸を進めていると、白い青年はこちらをジッと見つめる

「美味いだろ？」

そんな満面の笑みでそう言われてしまったら、「いいえまだまだですね」なんて言えない。

「おいしいです........料理がお上手なんですね...」

「君、そんなに苦しそうに言わなくたっていいだろう

傷の具合はどうなんだ」

「かなり回復しました。昨晩治療してくれた方にお礼を言っておいてくれませんか？」

「何言ってるんだ、君が直接言えばいいだろう？」

彼はそう言うと急に立ち上がり、私の腕を引っ張り広間をずかずかと進んでいく。

「おーい薬研、忍びの娘がお前さんに礼を言いたいらしいぜ」

「律儀なもんだな。どういたしまして」

今日は眼鏡はしていないらしい。昨晩の黒髪の青年は私の方を振り向くなり微笑んだ。

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朝餉の後、なぜか再び部屋へ戻されてしまった。

「いつまでここに居れば...」

もうこれ以上ここで呑気に布団に座っている訳にはいかない。

どうしようもなくなった私は、布団からでて庭に出る。

素早く塀にのぼって辺りを見渡して、絶句した。

「なにここ...何も無いじゃない」

普通はあたりに家や田がある筈ではないか

塀を飛び越えてさっさと姿を消そうと思っていたのに。

「ここの出口は、門以外には無いぞ」

背後から穏やかな声が聞こえる

塀に乗ったまま振り向くと、青い装束を着た男がこちらを捉えていた。