九 ページ10
ガラ、と、本丸の戸が開く音がした。
その音を聞いた加州は、玄関へと急ぐ。
加州「主が…帰ってきた!!!」
息を切らして玄関に立つと、そこには_
銀髪の、見知らぬ男が、いや、
刀剣男士がいた。
加州「え…誰?主は?」
長義「俺は山姥切長義。
突然すまないが、少し話をきいてくれ。」
多少の不信感を持ちながらも、加州は長義の話を聞いた。
長義「実は、聚楽第捜査の任務の手配ができていなかったんだが、その手配をしに君たちの主が政府に来ていたんだ。
…あの人はまだ君たちに一度も会ったことがないそうだね」
加州「_まあね、でもこうしてなんとかやってる。」
長義「不思議なことだ。
審神者がいないのにこんなにしっかりしている本丸は初めて見た。」
加州「まあね、俺たちと主の絆は本物なんだから。
…ていうか、さっきから主の話を馴れ馴れしくしてるけど、まさか主に会ったの?」
長義「…あぁ。政府内で偶然会った。」
その言葉に、加州は食いつく。
加州「嘘!!!会ったの?!
俺たちも一回も会ったことないのに!!
どんな人だった?ていうかどこにいるの?!
今いるんじゃ_「倒れた」…は?」
長義「…おそらく、体力的に限界だったんだろう。
俺と少しぶつかったときに、そのまま倒れてしまった。
顔色も悪かったからな。」
加州「ちょっと!なんでお前はのこのことここに来てるんだよ、主の面倒見てよ!
ねえ、主は大丈夫なの?
俺…心配だよ、突然あの人がいなくなっちゃいそうで」
長義「今は安静にしてもらっている。
代わりに今月分の指示を書いた紙を受け取って来た。
…マメな人だな、とても丁寧だ。
君たちの主は、これから政府で働くことになる。
本丸との距離が近くなる分、会うことができる可能性も高くなるだろう」
加州「…わかった。」
見慣れた主の文字を見ながら、加州は静かに頷いた。
__
長義「突然失礼したな」
加州「いや、別に。
…ねえ、…長義。」
長義「なんだ」
加州「主を、よろしく。
あの人、きっと加減ってのを知らないから、
またぶっ倒れるまで頑張っちゃいそうだし」
長義「あぁ、もちろんだ。
今度は君たちの主をここに来させられるようにするよ」
長義はそう言って本丸の扉を閉めた。
加州「…ねぇ主…俺、心配だよ」
玄関で一人、加州はぽつりと呟いた。
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琴葵(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!面白くてイッキ見してしまいました。そして最終話で涙モノでした…!!続編の更新、心より応援しています!!どうかお体にお気をつけて!!! (2019年12月26日 11時) (レス) id: 35f7e92960 (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - やみつきドーナツさん» ありがとうございます〜!ちょっと変わった話にしようかな、って思ってたので、そう言ってくださるとめちゃくちゃ嬉しいです、、これからもよろしくお願いします! (2019年12月18日 7時) (レス) id: dc9a723a5e (このIDを非表示/違反報告)
やみつきドーナツ(プロフ) - 凄いお話の設定が好きです!これからも更新頑張ってください!続き楽しみです!! (2019年12月18日 1時) (レス) id: 944e7c1e1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にわ | 作成日時:2019年1月1日 18時