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彼はそう言った瞬間、私に唇を重ねた。
何が起こったのか理解できず身体を硬直させていると、そこから舌が入り込んでくる。
「んぅっ...ふ、ぁ...」
初めてのその感覚にゾクゾクっとして、足に力が入らない。
それを感じ取ったのか、大般若はさらに私の身体に腕を回す。
「(女慣れしてないんじゃ、なかったの)」
頭にはそれしかなかった。それしか考えられなかった。
一通り深い口付けをされ、もう何も考えられなくなった。
「っは...こりゃ凄いな」
そう言いながら彼は口元に付いた私のものか彼のものかわからない唾液を、手で拭う。
とっくに身体に力は入らなくなっているため、大般若に軽く身体の方向を変えられてしまう。
すると次は小竜が私の身体に腕を回し、先程と逆の配置になった。
「もうちょっと付き合ってもらうぞ」
そして大般若は私の頰に手を添え口付けをする。
息を吸おうと口を開く度に、彼の舌が入り込んでくる。
こんなの、知らない。
ファーストキスではない。キスぐらいしたことはある。
でも、こんなものはキスではない。
もう無理、と大般若の胸元を押し返そうと手を動かすが、小竜に手を絡め取られ余計に動けなくなってしまう
手を撫でられるような感触に更に身体は敏感になっていく
これじゃあ、まるで___。
「良い顔するねぇ」
と耳元で囁かれる
やっとのことで大般若のターンは終わり、もう何もできなくなってしまった私。
「ごめんねー、こんなつもりじゃなかったんだけど、つい気持ちよくて」
くたっ、として身体に力が入らない私に彼は申し訳なさそうに謝る。
「れ、霊力補給って...こんなことしなくても、できてるんですよね...」
絞り出すような声で私が聞くと、二人は顔を見合わせる。
そして、大般若は言った。
「あー...まぁ、できてるけど...一部の男士達は飢えてるだろうな。特に戦場で人が変わったように戦う奴とか」
「た、たとえば...?」
私が恐る恐る聞くと、小竜は「うーん」と思い出すようにぽつりぽつりと答えていく。
「そうだなぁ、まず鶴丸国永に大和守安定、それに髭切とか〜...山姥切長義、あとは...」
「でも、でも皆が皆こんなことしたい訳ないじゃないですか、こんな見知らぬ人間に、く、口付け、とか...」
私がそう言うと、大般若は
「ま、飢えてるっていうか.......な。そのうちわかるよ。」
と答えた。
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にわ(プロフ) - こだぬきさん» 小説を楽しんでいただけて嬉しいです!続編頑張ります〜!コメントありがとうございました、これからもよろしくお願いします! (2020年2月7日 9時) (レス) id: dc9a723a5e (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめましていつも楽しみに拝読させて頂いてます!主人公さんと刀剣男士達の関係がいつもどうなってしまうのか気になります。是非とも続編を執筆して下さい!お願いします! (2020年2月6日 23時) (レス) id: 2d82e32e86 (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - まかろんさん» まかろんさん、ありがとうございます!作品が好きと言って貰えると、「ああ〜作ってよかったー!!」っていう最高な達成感とありがたみを感じます、、続編もお楽しみに!こちらこそ、これからもよろしくお願いします! (2020年2月6日 22時) (レス) id: 9ced130178 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - この作品が大好きすぎて更新される度にわくわくしながら読ませてもらってます!笑続きを楽しみにしています、これからも頑張ってください! (2020年2月6日 22時) (レス) id: 5f520ce7f7 (このIDを非表示/違反報告)
にわ(プロフ) - leiさん» コメントありがとうございます!続編楽しみにしていてくださ〜い!! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 9ced130178 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にわ | 作成日時:2020年1月24日 20時