地下世界に迷い込んだ少女【第4章】

152話 気付けば出口、そして次のエリアへ… ページ8

「そっか…そうだよな！確かにアンダインなら、なんとかしてくれるよなっ！だって、あの人は…オレ達のヒーローだもん！」

キッド君も、オニオンさんの言葉に、同調していた。
オニオンさんと同様に、瞳を輝かせて。
そんな二人を見て、アンダインさんは、相当信頼されてるんだなと思った。

そこで意気投合したのか、キッド君とオニオンさんは、アンダインさんの話でしばらく盛り上がっていた。
もちろん、パッピも混じえて。

私とフリスクとサンズは笑顔で、それを聞き、キャラもやや呆れていたものの、穏やかな表情でそれを見守っていた。



「あ…もう出口に着いちゃったね…。」

「ほんとだ。いつの間に…。」

オニオンさんは、ちょっと寂しそうな笑顔で、そう呟いた。
話しているうちに、出口の前に来たようだ。
喋りながら歩くと、着くのがあっという間なんだよなぁ。

「キミ達と話せて、オニオンさん、とっても楽しかったお！あの、キミ達さえ良かったら…またここに遊びに来てくれると嬉しいお！」

「うん、もちろん！」

「また会いにいくね！」

オニオンさんの控えめなお願いに、私とフリスクは、笑顔で頷いた。

「ありがとう！じゃ、まったね〜！」

オニオンさんは私達に手を振り、「ブクブクブクブク〜…」と言いながら水の中へ沈んでいく。
私達も手を振り返しながら、見えなくなるまで、オニオンさんを見送った。




オニオンさんと別れ、次のエリアへ足を踏み入れる。
曲がり角へと進むと、魚のようであり、人魚にも見える姿をした水色のモンスターと出会った。

一瞬、目が合ったので、「こんにちは…」と挨拶しかけたけど、言い終わる前に、相手は慌てて後ろを向き、部屋の隅っこに隠れてしまった。
もしかして…恥ずかしがり屋さんだったりするのかな？

とりあえず、分析をしてみると、「シャイレーン」という名前と共に、『オンチ。地獄の歌声を披露する勇気がない。』と、手厳しいコメント付きのコマンドが表示された。

あのー…コマンドさん、ちょっとひどくないっすか？
さすがにこれは、声を出して読めないって！

オンチだけならまだしも(いや、それでもだいぶ失礼だけど)、地獄の歌声って…披露する勇気がないって…。
そんなボロクソ言わんでも…！

ATKは19だけど、DEFは0だし、身も心も繊細そうだ。
これは、慎重に行動しないといけないな。
そう気を引き締めると、ケツイが漲ったような気がした。

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