151話 切実な悩み ページ7
「はい、私とフリスクは初めて来ました。とっても綺麗で素敵なところだなって思いました！」
「ぼくも、ここ、とっても好き！いいところだよね！」
私とフリスクが、素直にそう答えると、オニオンさんはニコニコと嬉しそうに、目を輝かせた。
表情がコロコロ変わるの、可愛いなぁ。
「うん、ここはいいとこだお！オニオンさんも、だーいすきだお！お気に入りだお！あ、立ち話もなんだから、歩きながらお話するお！」
オニオンさんが、そう言ってくれたので、お言葉に甘え、そうさせてもらうことにした。
「オニオンさんも、ここが大好きなんだね。」
「うん！でも最近、水がどんどん減ってきてるお…。だから、ずーっとしゃがんでないと、アタマが出ちゃうお…。」
オニオンさんはそう言うと、落ち込んだように背を向け、水面に顔半分を沈める。
後頭部には、漫画のようなタテ線が入っていた。
水がどんどん減ってるとは…こりゃ深刻な問題だ。
ずっと、しゃがんでなきゃいけないのも、相当しんどいと思う。
ニンゲンなら、そんな事、絶対不可能だ。
足がおかしくなるに違いない。
「そうか…そいつはキツイな。」
「生活しづらそうだし、足が痛くなっちゃいそうですよね…。」
サンズと私は、思わず、オニオンさんに同情した。
「で、でもッ！いいんだお！」
「え？どうしてッ？」
「都に住むよりマシだお！人の多い水族館で、生活するなんてまっぴらだお！」
パッピが聞き返すと、オニオンさんは水面から顔を上げ、やや強がるような口調でそう言った。
もちろん強がりもあるだろうけど、実際に人混みでの生活も、嫌だろうなと思う。
オニオンさんの体の大きさを考えても、人混みでぎゅうぎゅうの水族館は…厳しいもんな。
「友達は、水族館暮らしだけど…。どーせ、水族館は満員だお…。住みたくてもムリだお…。」
「なるほど…そういう事なのか…。」
オニオンさんは、しょんぼりとした顔で嘆いた後、再び水面に沈む。
パッピも、納得しつつ、つられてしょんぼりとする。
うぅ…オニオンさん、
…あ、語尾がうつった。
「オニオンさん…。」
「でもッ！大丈夫だお！アンダインが、きっと、なんとかしてくれるお！オニオンさんは、ここを出たら、広い海で暮らすんだお！」
私がなんと声を掛けたらいいのか迷っていると、オニオンさんは、笑顔でそう言った。
そして、希望に満ちた表情で、また目をキラキラと輝かせていた。
152話 気付けば出口、そして次のエリアへ…→←150話 オニオンさん、現る
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のん猫??(プロフ) - 雪水うさぎもちさん» 雪水うさぎもちさん、コメントありがとうございます！アンテの中で一番好きと言っていただけて嬉しいです…!とても励みになりました！不定期ではありますが、これからも更新頑張っていきたいと思います！ (2022年12月3日 14時) (
レス) id: 24741bde4e (このIDを非表示/違反報告)
雪水うさぎもち(プロフ) - アンテの夢小説でいちばんこれが好きだから！ (2022年12月3日 14時) (レス) id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
雪水うさぎもち(プロフ) - (；＿；)更新待ってるからいつでも (2022年12月3日 14時) (レス) id: 75fc25324b (このIDを非表示/違反報告)
のん猫??(プロフ) - なちこさん» なちこさん、ありがとうございます！そうだったのですね！それは光栄の極みです…！大幅に修正することに決めましたが、変えないところはそのままにしたり、ギャグシーンは残します！コメント励みになりました！頑張ります！ (2021年9月6日 17時) (レス) id: 0f66d036df (このIDを非表示/違反報告)
なちこ(プロフ) - 初めてコメントします。アンテにハマって、最初に読んだ夢小説がこちらのお話でした。テンポよくギャグテイストで進められる物語に夢中になって読んでしまいました！大幅修正とのことでしばらく読めなくなるのは残念ですが、再開楽しみにしております！応援してます (2021年9月6日 15時) (レス) id: d3058cd882 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん猫?? | 作成日時：2021年8月15日 22時
