地下世界に迷い込んだ少女【第4章】

148話 望遠鏡ビジネス ページ4

─キャラside─

モンスターキッドも、A達についていくことになり、随分とにぎやかな旅になってきた。
…にぎやかを通り越して、うるさい時もあるがな。

例えば──




「あっ！望遠鏡はっけーん！ちょっと覗いてみようぜ！」

「じゃ、オイラも望遠鏡ビジネスを始めるか。」

望遠鏡を見つけたモンスターキッドの一言で、サンズは唐突に、望遠鏡ビジネスとやらを始め出した。
もちろんAは、「いきなりここで！？」とツッコミを入れるが、「たまには仕事もしておかないとな。」と、いつもの笑顔で宣(のたま)う。

パピルスは、「あの怠け者の兄ちゃんが、やる気を出すなんて…！オレ様、見直したぞ！」と素直に感動していたが、多分ろくでもないことを企んでいると思うぞ…。

「このプレミアム望遠鏡、1回50000Gだけど…」

「げっ！マジかよ〜！？」

「値段設定が高すぎるっちゅーねん！！」

「それは無理だよ、サンズ…。」

サンズが高い値段を吹っかけると、モンスターキッド、A、フリスクの3者から、それぞれ困惑したような声が上がる。
至極当然の反応だ。

「まあ、最後まで聞けって。アンタらは、お友達料金でタダだぜ。」

「やったー！」

「サンズ、太っ腹〜！」

サンズがそう言った途端、モンスターキッドとAは、嬉しそうにはしゃぎ出した。
現金なものだ。
フリスクも嬉しそうに、ニコニコしている。

「それじゃ、ありがたく覗かせていただきますよっと…あれ…？」

Aは、望遠鏡を覗いた後、首を傾げた。

「どうしたの、A？」

フリスクが尋ねると、Aが当惑した表情で、「それが…星空が映ってなくて…赤しか映ってないんだけど…。」と答えた。

「…うわ、ホントだ！なんで！？」

モンスターキッドも、望遠鏡を覗いた後、不思議そうな反応をしていた。

…ちょっと待て。お前らの顔にインクがついてるぞ…？

「あ、あのー…二人とも、言いにくいんだけど…顔にインクが…」

フリスクも気付いたのか、言いにくそうに指摘した。
当然、二人はお互いの顔を見合わせ、慌てた。

「うわ！Aの顔にインクがついてるぞ！」

「キッド君もだよ！なんじゃこりゃ！？」

「ハハハ、イタズラ大成功、だな？」

「あんたが犯人かーい！サァァァァンズ！」

やっぱり、そんな事だろうと思ったよ。
悪びれもせずネタバラシするサンズに、Aの怒声がとんだ。
やれやれ…。

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