●好き。 ページ32
人間とはよく分からないな、と思う。
こんなにも苦しくなってしんどくなって死にたくなって何もしたくなくなって、
自分の生き方さえ分からないのであれば自我なんて持たなければよかったなんてさえ思う。
悔しい、私よりも生きるのが上手なシャオロンが。自分の意思を、好き という感情を理解して私にぶつけるシャオロンが。
私にはそれが到底出来ない。好き、すき、恋、愛、分からない。
何を基準にして好きなのか、恋が愛になるのか、嫌いになるのはどうしてだろうか、
『…私は、どうなのだろうな。』
どろどろにとけて汚くなって見放されて嫌われたい。私に無駄な感情を教えてくれたシャオロンが憎い。
シャオロンに、死んで欲しくない。
人間の感情はコロコロ変わってしまうんだと。残酷で、醜くて、愚かで、自分の首を絞める。
『…好きが、分からない。シャオロン、好きとはなんなんだ。』
『教えてくれ、気持ち悪くて吐きそうだ。』
シャオロンの綺麗なオレンジの目が私を見据えている。汚れているのは私だけ。シャオロンは綺麗なんだ、汚したくない。
「……ずっと一緒にいたい人。」
「隣でその人の生き様を見守っていたくて笑顔を見たくて、泣いてる時1番に慰めたくて、くだらないことで笑いあって、散歩なんかしたりして、」
「その人の1番になりたくて、その人の考えてることの中に常に俺がいたくて、俺のことばっか考えて欲しい、」
とか、気持ち悪いよな、
「…俺らは、人殺してるし今更そんな仲良くショッピングモールでデート、なんて出来へんけどさ、Aと笑いたい。Aとずっと一緒におりたい」
「めちゃめちゃ我儘言うてええんやったら俺は老後にさ、こんな綺麗なところで2人で笑い合いたいな、とか。」
そんなこと、考えたことも無かった。将来なんて、老後なんて。馬鹿みたいだ。
一時間後、五時間後、明日。常に目の先の事しか頭に入らなかったし、いつ死ぬかも分からなかったから。
「バカみたい、って思ったやろ。」
「俺のことこんなんにしたんAのせいやで。」
「Aにあって、もっと生きたいって思った。」
好きやで。
シャオロンの2度目の好きが私を襲う。
好き、といっていいのだろうか。この気持ちに。
私だけのこの気持ちに名前をつけても、いいのであれば。
目の前のシャオロンに向き合う。もう、逃げることはないだろう。
シャオロンの顔を見ると、にこやかと笑っていて、そして
顬に赤い光
赤外線標準装置、
『っ、シャオロン！！！！！伏せろ！！！』
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かわ(プロフ) - 茜さん» 茜さんコメントありがとうございます！初期の方から読んでる方には途中で更新停止してしまい非常に申し訳ない気持ちです…。。それでも最後まで読んでくれて本当にありがとうございました！これからも応援してくれたら幸いです！ (2020年5月9日 12時) (
レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - 完結おめでとうございます。初期の方から読ませていただいていました。この作品大好きです。これからも応援してます！ (2020年5月9日 11時) (レス) id: d2182e9bad (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - H2Oさん» コメントありがとうございます！連載開始から読んでくださってたということは随分と長い間お待たせしてしまいましたね…、長い年月でしたが本当にありがとうございした！ (2020年5月8日 7時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - お疲れ様でした。(多分)連載開始から読み続けていて、ずっとこの時を待ってました。とても大好きです。 (2020年5月8日 2時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - 蒼乃さん» 蒼乃さんコメントありがとうございます！本当に途中途中更新停止してしまい最初から読んでくださっている方に本当に申し訳ないと思っていました…、それでも最後まで読んでいただき本当にありがとうございました！新作も頑張りたいと思います、！ (2020年5月7日 21時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かわ | 作成日時：2019年2月22日 20時
