【文スト】中原さん家の今日のごはん。

鶏肉は疲労回復に効く ページ18

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今日は久々の休日、だが。




「いきなり降ってきたな。」




ザーザーと音を立てながら降る雨。


まァ、梅雨のゲリラ豪雨だろう。




「……彼奴、帰ってこれるのか？」




一時間ほど前に、買い物へ出かけたのだが


其の時は降ッていなかッた為、
傘を持たずに出ていッた気がする。


迎えにいくべきだな、と考えていた時。




けたたましい音と共にAが帰ってきた様だ。




『遅くなってごめんです、今帰ったです』




「おう、おかえ_______」


俺はAの姿を見た瞬間に
凄まじい勢いで目を逸らす。




『急いでご飯作っちゃいますね、
手羽先なので早めに作れま』


「その前に、風呂入ってこい。」


『いや、大丈夫ですよ。お風呂は後ででも。』


「いいから入ってこい。」


『え、ちょ中原さ、待っ』




困惑するAの背中を風呂場まで押した。




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「彼奴は俺を試してるのか…？！」


顔を覆いながらそう呟いた。

頭の中に先程のAがフラッシュバックする。




何時もは結んでいる髪を乾かす為におろしており、


服がくッついているからか、
心做しか肌が透けていて…


髪を拭く動作が艶めかしく色ッぽかった。




あれが無自覚なら相当だぞ……


あのまま食事なんて作られたら
流石に俺の理性が持ちそうになかッた。




『お待たせです』


そンな俺の気持ちはつゆ知らず。

風呂からあがってきたAは
今晩の飯を作り始めた。




『へっくち！』


「風邪ひいたんじゃねェのか？」


『大丈夫です、鼻がつまるだけです』




____否、だから其れが風邪だろ。




『……へっくち！！』




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『でぎまじた』


「鼻声極めてンな」


『いぢおうマスクしながらづくったんですけど

鶏肉は疲労回復に効くっで聞いたので』


今日の飯は予告された通り手羽先。




『手で割っでから食べると食べやずいでずよ』


「そ、そうか」




声が気になって仕方ないが、

言われた通りに半分に割って口へと運ぶ。




……皮はパリッとこんがり。


甘辛に味付けしてあるタレが
最高にマッチしてンな。




自然と隣においてある酒もすすむ。


こりゃア、何本でもいけるぜ。



そして、5本目にかぶりつこうとした時。




ゴロゴロゴロゴロ！！！！




近くで雷が鳴った。


それに反応して肩をビクンと震わせる、A。




ふるふると仔犬のように震えながら
涙目でこう云ッた。




『か、雷だけは、ダメなんで……す』

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