【文スト】中原さん家の今日のごはん。

今日はうな重にしよう ページ13

.




こうして私は家政婦業をやめ、

中原さんは裁判に負けたので
損害賠償金をたんまり貰いましたとさ。


めでたしめでたし_____「な訳ねェだろ！」




※アメリカンジョークです。




.




空も快晴で、ぽかぽかと暖かい日。
私、柏村Aはとても困っていた。


『冷蔵庫に何も…ない……。』


これでは今日の夕食どころか、
私の昼も作れないではないか。


『買い物、行くか』


久しぶりの外出である。




.




『へー、土用丑の日なんだ』


チラシが所々に貼ってあり
魚売り場には沢山のうなぎが売っていた。


今日はうな重にしよう、と思い
蒲焼きのパックに手に取ろうとすると。




隣からも、手がスッと出てくる。




『あっ……すみませんでし____』


すぐさま手を離し、相手の顔を見た時。




驚愕した。




「あァ、触れ合う手と手…
ここから甘酸っぱい恋に発展していくんだね…

これが運命の出会いだよ。A、ちゃん。」




……天気の良い日は
変質者が出やすいって本当なんだな…




『何故貴方がここにいるんですか、

太宰さん(････)____』




.




『いい加減にカゴ、離してください…！

警察に、通報しますよ？』


「そんな酷いことを言うようになッたなンて…

心中を約束した仲じゃないか！」


『意味不明です約束した覚えがありません』




……最悪だ、最悪過ぎる。

すぐにその場を立ち去ろうとしたが、
カゴを掴まれており、逃げる事が出来ない。




『どうせ、
携帯の発信源から逆探知でもしたんでしょう？』


「その通り。流石、元探偵社員だね。

ずッと一つの場所から動かないからさ。
彼処が新居かい？」


『ち、違います。新しい勤め先です。』




私は苦し紛れに嘘をつく。


森さんから２人は" 混ぜるな危険 "と
言われているので


会う事は何としてでも阻止しなければならない。




すると太宰さんは、


「残念。」


と一言。




「其処が会社のオフィスでは無い事は
把握済みだよ。

今度、遊びに行こうかな？」


『ダメです。それだけは、本当にやめて下さい。』


「ふぅん…。

何でそこまで家を隠したがるのかは
よくわからないけれど。

秘密にしておく代わりに、
今から一緒に探偵社に行こうよ。」


『は？え、いや、何でですか。』


「皆も会いたがってるし。
そういえば新入社員も入ったんだよ。

来る、よね？」




拒否権は…ないみたいだ。


____嗚呼、面倒くさい事になりそうな予感。

特別に駄菓子をあげる→←これぞ真のナポリタン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す