これぞ真のナポリタン ページ12
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『中原さん』
「ハイ」
『3つ、お願い事があります』
「おう」
『今日のお詫びとして今度何か奢ってください』
「勿論だ」
『勢いでドンペリ飲んだことを許してください』
「あァわかった」
『最後に…ご飯一緒に食べましょう。
それで許します。』
最後のお願いだけは…返事に困ッてしまッた。
今日は会食に行ってきたんだ。
流石にまたがっつり食べれる気がしな____
『今日はナポリタンなんですけど……』
「何……だと。」
前言撤回。食べなければならない。
謎の使命感に追われ、
すぐにテーブルの椅子にすわる。
『え、会食じゃなかったんですか?
お腹いっぱいかなって思ってたんですけど。
ちょっと待って下さい。チンするので…』
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『温め直したんで、
美味しいかわからないんですが…』
不安げに俺に皿を手渡す。
何言ってんだか。美味いに決まッてンだろ。
もう、匂いから彼処の店とは違う。
トマトソース特有の、
あの酸味の強い香りがしない。
あァ、我慢出来ねェ。
「いただきます。」
____口に入れた瞬間。
「美味い……!」
もう食べる手が、止まらない。
油ッぽくなくて、麺がもちもちとしている。
旨味とコクがあって味に深みがあるし、
ソースが上辺だけじゃなくて
中までちゃんと染み込ンでいて。
ああ、これだよこれ。
これが真のナポリタンだ……
「……隠し味になんか使ッてンのか?」
『隠し味、というかはわかりませんが
オリーブオイルを使いましたよ。
後、太めの麺を使ったくらいですかね。』
「手前…マジで店出した方がいいと思うぞ」
『え、なんかありがとうございま、す。』
「いや、こっちがありがとうッて云う立場だよ。
いつも美味い料理を作ッてくれてサンキュな。」
Aは『…ほ、褒めすぎです』と云ッているが、
さっきよりも少し顔が赤くなっているのを
俺は見逃さなかッた。
「ありがとう」
『何ですか…随分と酔ってますね』
「照れてンのか?」
『照れてません』
「確実に照れてンな、顔真っ赤。」
『…うるさいですチビって呼びますよ?』
「はァ?!手前酔いが覚めるとキャラ変わるな…
さっきはぴーぴー泣いて可愛かったのによォ」
『…明日からご飯作りません。
チビって呼びます。
セクハラで訴えます。』
「はいすみませんでした俺が悪かッたよ、
仲直りしようぜ?
おい?
無視すンなよ冗談だろ?____
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mikky - ギャグ線高くて面白かったです!!ニヤニヤ止まりませんでした! (2021年6月25日 16時) (レス) id: 0c37dc8e40 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ★(プロフ) - ましろさん» 更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (2020年5月9日 21時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - アヤカ★さん» コメントありがとうございます!ずーーーっと2人に幸せになって欲しかったのでようやくかけて安心しました(T_T)コメントたくさんいただけて嬉しかったです!残り1話ですが最後まで宜しくお願い致します♪♪ (2020年5月9日 20時) (レス) id: f8809b1e73 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - 嘘吐き姫さん» コメントありがとうございます!バラの本数まで本当は描きたかったですね笑最後までお付き合い頂きましてありがとうございました(T_T)!! (2020年5月9日 20時) (レス) id: f8809b1e73 (このIDを非表示/違反報告)
アヤカ★(プロフ) - 完結おめでとうございます。ハッピーエンド感動しました。 (2020年5月8日 18時) (レス) id: 65fd904e63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年8月20日 11時