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結局､一虎くんとのんびりした朝を過したせいで遅刻ギリギリになりながら出勤した｡
夕方に迎えに来てくれる一虎くんの姿を想像しては､ふふっと自然に零れそうになる笑みを抑えながら仕事に取り組む｡
休憩中に携帯を見てみれば一虎くんからのメッセージが来ていた｡
『会いたい』やら『寂しい』やら､なんだか中学のときを思い出してしまう｡
無意識のうちに笑っていたのか､店長がニンマリとした笑みを浮かべていた｡
それがなんだか恥ずかしくて､『6時待ってるね』とだけ返信を送って午後の仕事に取り組む｡
早く6時にならないかなぁ｡
カラン､と氷がぶつかる音が耳に入る度に､愛しい人の姿を思い出す｡
＿＿＿＿＿
｢お疲れ様でした！店長まだ残りますか？｣
｢そのつもり〜｡なになに､どうしたの？今日何かあったっけ？｣
｢いえ…その､紹介したい人がいまして｣
仕事終わり｡
更衣室で制服から着替える前に店長に声を掛ければ､店長は話の内容を聞いてキラキラと目を輝かせた｡
｢噂の心に決めた人だったりする？｣
｢はい｣
｢ふぅん…､楽しみだなぁ｣
言葉だけだと興味もなさそうだけれど､店長の表情は柔らかい笑みを浮かべており､幸せという感情が汲み取れる｡
良かった｡もしここで会いたくないとか言われたらどうしようかと思った｡
短い針が6を指す前に急いで着替える｡
少し乱れた髪を整え､普段ならしない色付きリップをつけてみたが､なんだか浮かれてるみたいで恥ずかしいかも｡
店の外に出ると､玄関前のガードレールに腰をかけて空を眺めている一虎くんが見えた｡
風が吹く度にちりんちりん、ピアスが音を鳴らし、その音に私はほんの少しの安らぎを感じてしまう｡
｢一虎くん｣
近付いて声をかければ､空を見ていた無機質な瞳に色が付く｡キラリ、輝いているように見えた｡
おせぇよなんて言うも､目を細めて笑うその表情が嬉しそうで､先程の店長のことを思い出す｡
案外､似たもの同士なのかも｡なんて｡
｢店長は中にいるの｣
｢あぁ｣
緊張した顔付きの一虎くんの頬をするりと撫でる｡
すると､いつものように私の掌に擦り寄ってきて､癖ついたんだなって､思わずきゅんと胸が鳴った｡
｢ね､愛してるよ｡…私､一虎くんを愛してる｣
｢知ってる｡俺しか愛せないもんな｣
ふはっと、吹き出して笑った一虎くんの顔には緊張の2文字は浮かんでいなかった｡
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むらやま。(プロフ) - 凪々瀬さん» コメントありがとうございます〜！夢主から一虎くんへの心情に力を入れてるので､そう言っていただけて嬉しいです…！自分のペースになりますが､更新頑張らせていただきます！ (2021年8月28日 20時) (
レス) id: 69abba7f4a (このIDを非表示/違反報告)
凪々瀬(プロフ) - こんにちは。お話読ませてもらってます！夢主ちゃんの一虎くんへの心情？がすごくわかりやすくて面白いです！！更新頑張ってくださいね！ (2021年8月25日 12時) (レス) id: a9a880df8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むらやま。 | 作成日時：2021年8月21日 21時
