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指定した場所は､私の家の近くにある公園｡
公園の周りには大人1人隠せるんじゃないかと思うくらいの草が柵のように伸びていて､子供はめったに遊びに来ない｡
まだ一虎くんは来ていないみたいだからトイレで軽くメイクをして乱れた髪の毛も整える｡
この間一虎くんに可愛いって言われたハーフアップにしてトイレから出ると､一虎くんがベンチに座って待っていた｡
｢だーれだ｣
背後から近寄りそっと目を手で覆うと､一虎くんがその手を取ってグイッと引っ張る｡
引っ張られるなんて思ってなかったから思わず一虎くんの背中に抱きつくような形になってしまう。
｢A｣
｢ふふっ､大正解｣
手を離してもらい隣に座れば､こっちに座れよと膝を叩いてきた｡
言う通りに一虎くんの膝の上に乗れば､上機嫌な笑みを浮かべてぎゅっと抱きしめてくる｡
｢なんで直ぐ返信しなかった？電話も全部無視して､俺の事嫌いになったんだろ｣
｢嫌いにならないよ｡友達とパフェ食べに行ってたから返信出来なかったの｣
｢本当は俺を嫌いになったからだろ｡じゃなきゃ無視なんてしねぇし｣
グリグリ頭を私のお腹に押し付けて､離さないとばかりに抱きしめた腕はどんどん力強くなる｡
苦しいなあとは思うけど､元は私が無視したからこんなことになったんだ｡我慢するしかない｡
一虎くんの頬に両手を当て､グイッと目線を合わせるように顔を上げさせる｡
寂しげな色を帯びた瞳に罪悪感がふつふつと沸き出し､ごめんねの意味も込めて瞼に何度も口付けをする｡
｢嫌いになっていいの？｣
｢嫌だ｣
口付けを止めると､もっと…と子供のように甘えてくる一虎くん｡
顔を赤くして強請ってくる姿が可愛くて､つい甘やかしてしまいたくなる｡
｢一虎くん､待て出来る？｣
｢出来るから…もっとしろよ｣
｢え〜一虎くん前も我慢出来るって言って､出来てなかったからな〜｣
自分でも悪戯な笑みを浮かべているのが分かるほど､頬が緩んでしまっている｡
弱々しく私に抱きつく一虎くんが愛おしい｡
直ぐにでも溢れそうな涙を拭って､少しカサついた唇にキスをしたくなる｡
｢俺､待て出来るから！お願い！｣
縋り付くように私のシャツを掴む一虎くんに､ゾクリと胸がざわめく｡
必死になっちゃって､可愛すぎるなぁ｡
頬を撫でながら目を閉じてと言うと､私の言う通りに目を閉じる｡
｢約束だよ？｣
そう言ってキスすれば､一虎くんは満足気に微笑んでもっと､と唇を尖らせた｡
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むらやま。(プロフ) - 凪々瀬さん» コメントありがとうございます〜！夢主から一虎くんへの心情に力を入れてるので､そう言っていただけて嬉しいです…！自分のペースになりますが､更新頑張らせていただきます！ (2021年8月28日 20時) (
レス) id: 69abba7f4a (このIDを非表示/違反報告)
凪々瀬(プロフ) - こんにちは。お話読ませてもらってます！夢主ちゃんの一虎くんへの心情？がすごくわかりやすくて面白いです！！更新頑張ってくださいね！ (2021年8月25日 12時) (レス) id: a9a880df8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むらやま。 | 作成日時：2021年8月21日 21時
