文豪二十九人目 ページ39
side無し
一言放ったかと思えば、ﾎﾞﾛﾎﾞﾛと涙を流し始めた。
床に大量の染みを作り、そして膝から崩れ落ち、顔を覆う。
所々で嗚咽やしゃくり声が聞こえる。
骸『さ、きいちをうちか…らうばわ、んでつかい。かぞ、くを失いとう…はな、いんや！』
秋声「家族？もうそんなところまで…え？」
骸は、徳田達に懇願するように手を合わせ床へと頭を下げる。
それに対し、徳田は軽蔑するかのように言葉を紡ぐが…
それは、咲一の吐血混じりの言葉によって遮られる。
咲一「ね、姉ちゃん？あた、ま下げいでええでよ。わしゃ、いけるけん。まえにみたいに弱う無い、、けん。」
独歩「姉ちゃんって…おいおいまさか」
藤村「この人って…咲凪燐だね。」
花袋「鷺已の弟か！」
白鳥「ﾁｯ…面倒ことになったな。」
気づいたときにはもう遅い。
咲凪を囲っていた太宰、横光そして川端はいち早く司書を呼び出していた。
司書「緊急連絡があったから、何事かと思ったら…研究を後回しして良かった。」
そう言う司書の首もとには汗が流れていた。
司書室からここまでの道のりを走ってきたのだろう。
司書「多喜二は骸を連れて補修室へ、啄木と林太郎は燐の処置を頼む！」
司書が名前で呼ぶときは、焦っているときかその文豪に対してどうしようもない怒りを覚えているとき。
この場合は前者だろう。
多喜二「鷺已さん？大丈夫、ゆっくり息を吸って。」
背中をさすり、鷺已を落ち着かせる、多喜二。
心配そうに見る目には、鷺已をここまで落とした自然主義軍団への憎悪も含まれていた。
鴎外「ふむ、此処での処置には限界があるな…。石川君、彼も彼女と同じように補修室へ運んでくれ。俺は準備が整い次第そちらにむかう。」
啄木「へいへい。よっと、…軽すぎだろ。食ってんのか？コイツ…。」
それぞれが指示された内容をこなしていくなか、【勘違い】とは言え忌々しい記憶を呼び起こし、あげくには病人まで出した自然主義軍団は顔に焦りや不安、そして心配の表情をかもし出していた。
司書「今回の主犯というと言葉が悪いな…。とは言え、それぐらいお前は危ないことをしたんだ。…徳田。」
秋声「……てるよ。」
司書の言葉に徳田はうつむき、小さく返す。
聞き取れない司書が聞き返すと、おもむろに顔を上げ
秋声「分かってるよ！でもね…僕は、鷺已が大切なんだ！それは妹のように！」
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新美悠華＠文アル大好き💛 - おもしろいですこれからの投稿楽しみの極みですこれからも頑張って欲しいです (2023年3月19日 9時) (
レス) @page10 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
ろすと(プロフ) - ミントさん» 面白いと言ってくださり有難うございます！自分なんかの語彙力を欲しいって言われたの初めてです！分けるほどのものじゃありませんが…(汗。これからも宜しくお願いします！ (2018年8月16日 13時) (レス) id: e6bfa2b228 (このIDを非表示/違反報告)
ミント(プロフ) - すごい面白いです！語彙力分けてください！（無理なのは重々分かってます。） (2018年8月15日 13時) (レス) id: 957ebcb77d (このIDを非表示/違反報告)
ろすと(プロフ) - 乱鬼さん» また、こうしてほしい！というリクエストや要望がございましたら、お気軽にコメントしてください！応援有難うございます！ (2018年8月5日 14時) (レス) id: e6bfa2b228 (このIDを非表示/違反報告)
乱鬼(プロフ) - じゃあ、3人方は仲がとてもいいということでOKです。頑張ってください！( ^ω^ ) (2018年8月5日 13時) (レス) id: b28e480167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろすと | 作成日時：2018年2月11日 14時
