文豪二十三人目 ページ30
side無し
咲凪は自宅で倒れた。
突然の吐血や下血、高熱、腹痛が嵐のように体を襲った。
電報を受け取った鷺已は、自分の仕事を全て後回しにし、医者を呼び咲凪への所へ急いだ。
駆けつけた時は、容態は安定していたものの油断は出来なかった。
そして、鷺已は最悪の事実を突き付けられる。
医者「弟さんには………【結核】の兆候が見られます。」
言いにくそうに医者は言った。
鷺已の目の前は真っ暗になりそうだった。
医者「後日、詳しい診断書をお渡しします。」
医者はそう告げると足早に出ていった。
一人取り残された鷺已と疲れきった顔で眠る咲凪。
診断書を貰うよりも、咲凪の命が消えかかっているのは一目瞭然。
鷺已は、泣いた。
起こさないように、小さく小さく泣いた。
後日、診断書と共に医者が、自宅へと来た。
長い型だらけのその書類にははっきりと【結核】の文字が刻まれていた。
鷺已は、医者の説明など聞く気は無かった。
そして、医者の制止を気にも止めず作家の仲間ではなく姉として、家族として、咲一に【結核】のことを伝えた。
咲一「そっか…。僕、やっと姉ちゃんに追い付けたと思ったのにさ……………。」
「ついてないね…！」とヘラリと笑って答えた。
鷺已は、言葉をかけなかった。今、かけたとして弟に何が伝わるというのだろう。
それなら、私は最期まで弟の作品を世に語り継げようではないかと…。
それから、治療、療養、執筆の繰り返しだった。
一度、体調がよくなってもまた、倒れる。半年を過ぎる頃には咲一は咲凪として活動出来なくなっていた。
咲一が亡くなる二日前、鷺已は質問をした。
骸『何か、言いたいことはある？したいことはある？我儘言ったって誰も怒らないよ。』
咲一は鷺已の言葉を噛み締めるように、目をつぶり考えた。そして、今まで聞いたことも無いような泣き声で
咲一「死にたくない！姉ちゃん、置いてかないで！」
と、手を伸ばしてきた。
鷺已は、その手握った。それは母のように優しく、それは父のように強く、そして姉らしく受け止めた。
咲一は満足そうに笑うと、そのまま眠りについた。
そして、次の日仲間や友人、姉に見守られながら息を引き取った。
________________
過去編がやっと終わりました…。
長らく更新していなくてすみません！
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新美悠華＠文アル大好き💛 - おもしろいですこれからの投稿楽しみの極みですこれからも頑張って欲しいです (2023年3月19日 9時) (
レス) @page10 id: 5309fc8273 (このIDを非表示/違反報告)
ろすと(プロフ) - ミントさん» 面白いと言ってくださり有難うございます！自分なんかの語彙力を欲しいって言われたの初めてです！分けるほどのものじゃありませんが…(汗。これからも宜しくお願いします！ (2018年8月16日 13時) (レス) id: e6bfa2b228 (このIDを非表示/違反報告)
ミント(プロフ) - すごい面白いです！語彙力分けてください！（無理なのは重々分かってます。） (2018年8月15日 13時) (レス) id: 957ebcb77d (このIDを非表示/違反報告)
ろすと(プロフ) - 乱鬼さん» また、こうしてほしい！というリクエストや要望がございましたら、お気軽にコメントしてください！応援有難うございます！ (2018年8月5日 14時) (レス) id: e6bfa2b228 (このIDを非表示/違反報告)
乱鬼(プロフ) - じゃあ、3人方は仲がとてもいいということでOKです。頑張ってください！( ^ω^ ) (2018年8月5日 13時) (レス) id: b28e480167 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ろすと | 作成日時：2018年2月11日 14時
