守り神は隙が無いようでｰ弐ｰ【鬼滅の刃】

伍拾漆. ページ11

善「じいちゃんの期待に応えたいんだよ！俺だって！でも無理なんだ！！

申し訳ないと思ってるよ！こんな俺でさぁ！！





じいちゃんに隠れて修行もしてんだよ！！

全然寝てないの、俺！！なのにぜんっぜん結果ガデなわけ！どういうこと？！もう一体どういうことーーー？！」









俺は木上で、ずっと叫んでいた。









「落ち着け善逸！お前には才能が…」





善「もう俺はぁぁぁあ！！」






「善逸ぅぅぅう！！！！」








嫌な人生だよ。雷に打たれてさ…髪の色変わるし。



生きてるだけ、有難かったけど。









俺は…俺が1番自分のこと好きじゃない。









ちゃんとやらきゃって、いつも思うのに。

怯えるし、逃げるし、泣きますし。







変わりたい。ちゃんとした人間になりたい。





今だって、Aちゃんを助けたい。




でもさぁ……！









善「俺だって精一杯頑張ってるよ！！
なのに最後髪ずるむけでバケモンになるの？！

嘘でしょ？！嘘すぎじゃない？！」









「(なんなんだこいつは…)」









善「ヒギャァア！登ってくんなよ！ちょっとでいいから一人にして！？

ちょっとでいいからぁぁぁあ！！」









そのとき、髪が抜けた。





もうこの段階で抜けるの？毛の抜け始め…？






あいつさっき説明しなかった！！！！









「(なんだこいつは…俺達一族を殺しに来た鬼狩りでは無いのか？

失神…？なんという腰抜けだ。)」









***








……善逸。



何呑気に、木上で気を失ってるのよ。






起きて早く逃げてよ…。







そして、頭から落ちる。







『…っ！！』








声にならない悲鳴をあげそうになる。




だめだ。あのまま落ちたら、間違いなく「死」…。








朦朧とする意識の中、善逸の雰囲気が変わったのがわかった。









善「……雷の呼吸。壱ノ型 」






「…！！斑毒痰っ！」









吐き出された毒を、善逸は空中で身をひねって避けた。



………嘘、あんな動き…かなりの実力者じゃなきゃ……








善逸はまた構えをとる。









善「雷の呼吸……壱ノ型。」







「お前たち！飛びかかれ！！」








飛びかかった人面蜘蛛を、善逸は軽やかな動きで避ける。









善「雷の呼吸、壱ノ型」







「(さっきからずっと同じ構えを何度もしている。
…間違いない。こいつはひとつの技しか使えないんだ)」

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