守り神は隙が無いようで【鬼滅の刃】

参拾陸. ページ38

？「さっさとそこを…どけぇ！！」





首ギリギリまで刀を振り下ろされる。








善「…っ、この箱には…手出しはさせない！
炭治郎の大事なものなんだ！」






？「おいおいおい…！何言ってんだ？
その中には鬼がいるぞ？分からねぇのか！」







善「そんなことは最初から分かってる！！」









鬼を連れてるのは分かってた。



鬼の音は、人間の音と全く違うから。






でも、炭治郎からは…泣きたくなるような、優しい音がする。







今まで聞いたこともないくらい、優しい音だ。









生き物からは、とにかく音がしている。



たくさんの音が、溢れ出している。



呼吸音･心音･血の巡る音……それを注意深く聞くと、相手が何を考えているのかわかった。







でも俺は、人によく騙された。







俺は、自分が信じたいと思う人を信じた。








鬼殺隊でありながら、鬼を連れてる炭治郎。


でも、そこには必ず…事情があるはずだ。


それは、俺が納得できる事情だって…信じてる。









善「俺が…俺が、直接炭治郎に話を聞く！
だからお前は…引っ込んでろ！！」









***









ｰそして現在ｰ








俺の目の前で、箱を庇うようにしていた善逸。









？「威勢のいいこと言ったくせに…刀を抜かないこのクズが！！

同じ鬼殺隊なら、戦って見せろ！！」









その箱を庇って倒れる姿が…



数年前に見た、禰豆子の姿と重なった。









？「戦わねぇなら…さっさとどきやがれ！」








なんども蹴られ、踏みつけられる善逸。








？「もういい…これ以上俺の邪魔をするなら…！

お前ごと箱を串刺しにしてやる！！」






『…！』






炭「やめろ！！」








俺はすぐに走り出し、そいつに向かっていった。







そして、鳩尾に容赦なく拳を入れた。







善「骨、おったぁぁぁあ！！！」







炭「お前は鬼殺隊じゃないのか？！
何故善逸が刀を抜かないのか分からないのか？！

隊員どうしで悪戯に刀を抜くのは、ご法度だからだ！！



それをお前は一方的に痛めつけていて…楽しいのか？！




卑劣、極まりない！！」









『炭治郎………。』









仰向けになりぶっ倒れるイノシシ男。









？「カハッはははははっ…！！
そうか、そういうことかぃ？悪かったなあ…





じゃあ、素手でやり合おう」

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