拾弐.「私の仕事」 ページ14
＊ ＊ ＊
Aちゃんが4体の鬼を、たった1人でぶっ倒した時は、衝撃を受けた。
いや。なんなら、衝撃で鬼と一緒に俺もぶっ倒れるかと思った。
正直な所…さっきの光景に圧倒されて、刀すら抜かなかった自分を情けなく感じた。
『よし、この辺りにもう鬼はいないみたいだよ』
善「え！わかるの？！」
『うん、ちょっと五感が優れてるからね』
善「優れている…ってどのレベル？！」
Aちゃんは苦笑いをしながら、「ほんの少しだよ」と言った。
相変わらず、彼女から聞こえる音は…あの鈴の音だけ。
心の音が、全然聞こえないんだ。
善「…さっき、ごめんね」
『………はい？』
善「俺、騒ぐだけで何も出来なかった。
弱いから。ほんとにまじで弱いんだ」
俺はもう、日本語がぐちゃぐちゃになりながらそう言った。
今、逆にもう開き直って胸を張って言えることは、「自分は弱い」だ。
そりゃあもう、自分でも驚く程に弱い。
『………
(…、自己嫌悪の色が見える。)』
Aちゃんの鈴の音が近くで聞こえた。
『大丈夫。きっと善逸は弱くない。
でも…私の仕事は、みんなを守ることなの。
だから、これでいいんだよ』
優しい声色の声が、痛い程に響いた。
その声からは、「嘘」は聞こえなかった。
＊ ＊ ＊
私は守らなければならない。
勿論自分の村も。
善逸や、他のみんなも。
これしか、あの時のことを償えない。
それに、こうすることで自分も救われた。
1人を守ることができたら…それだけ、自分の力に自信がついた。
でも、鬼から偶に見える悲しい色を見たら、私はなんとも言えない気持ちになった。
同情？いや、それだけでは言い表せない。
だからもう…私の仕事は、鬼を討つこと。
すなわち、みんなを守ること。
･
･
･
私たちは、その日は旅館に泊まった。
もう「鬼を倒した」という噂が広まってきたのか、旅館の人達はすごく喜んでいたし、私達に感謝の言葉を言った。
そのお礼に、部屋代はいらないと言ってくれた。
『はぁ〜…休める…』
善「……まって、これ…俺、女の子と初お泊まり？！」
『うるさい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 438人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひかり(プロフ) - craneberry1223さん» すいません誤字多いです...。教えてくれてありがとうございます！ (2019年10月19日 10時) (
レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
craneberry1223(プロフ) - 風邪で揺れる×風で揺れる○ (2019年10月19日 8時) (レス) id: 1013b94a43 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 檸檬さん» ありがとうございます！伊之助もいいですねぇ〜！(´∀`)ほんと、鬼滅の刃は魅力的なキャラが多いです...！ (2019年9月26日 20時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 面白いです！私は富岡さんと、伊之助が好きですねー( ＾ω＾ ) (2019年9月26日 20時) (レス) id: 37ecf0b3f7 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 月歌兎さん» いやいや！大丈夫ですよ〜！あってたなら良かったです！コメントありがとうございました！また間違えてるところあったら教えてくださいi((殴 (2019年9月23日 22時) (レス) id: c753592d54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひかり | 作成日時：2019年9月22日 12時
