【ツイステ】オクタヴィネルの元寮長

Episode27 "No worried" ページ28

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Happiness is the richest thing we will ever own.(幸せが僕たちが手に入れられもので、いちばん贅沢なものだよ)





今なって思い出した。


この言葉は、親父から聞いた言葉だ。



親父は俺をねかしつける時に本を読んでくれた。

その本に書いてあった主人公のセリフ。



小さい頃は、その言葉をなんとも思ってなかったが、成長するにつれて、よりいっそう信じるようになってた。



そんで、そのセリフには続きがあった。

主人公の白くて黄色いくちばしのダックが、本の最後のセリフでこう言う。






【もし君自身が幸せじゃなかったら】


【それは何も意味しないんだ】






主人公のダックは、未来の幸せを掴むために、冒険で与えられた苦難を乗り越えてた。


俺だって幸せになるために、苦難を何度も乗り越えてきた。おおよそ、多くの奴は一生のうちにほとんど体験しない苦難だ。







幸せだった俺の家庭は、母親の浮気で崩壊した。

家を出ていった母親を心底愛していた親父は、重い精神病を患った。



心配で声をかけた俺に掴みかかって、鋭い牙で何度も身体に噛み付いてきた。


酷い暴力を何回もふるわれた俺は、何度か死んでしまおうと考えて、死ぬことを試みた。


でも、死のうとすると

親父は止めに来た。あんなに噛み付いてきた後なのに、泣きながら謝って、抱きしめて、「死なないでくれ」って言うんだ。


そして、病を患ってから1年後。

親父は、大きな岩に頭を打ち付けて自ら死んだ。





それで俺は、実家を離れて珊瑚の海へやってきた。

全てを忘れようとして親戚たちと暮らしていた。



新しい学校は、そこそこ楽しみにしてた。だけど、生徒達は俺を怖がった。そんな時に会ったんだ。



アズールたちと──────────





それが1番幸せだと思えた時期だった。



あんなことがあってからだったから、本のセリフ通り、幸せは確かに贅沢なものだと思った。

アイツらといる時は、過去のことを忘れられた。



そして、ナイトレイブンカレッジの飛び級。



1年の時、図書館通いしてたらレオナ・キングスカラーに目をつけられたりして。

魔法解析学で隣の席になったイデアとは、今じゃ少しは仲良くなれた気がする。

ロア・ドゥ・トリステス！！とか言いながら走ってくるルークからも逃げまわってた。



飛び級してきた俺だけど

"年下"とか"人魚"とかそんなこと関係なく、寮のヤツらは仲良くしてくれた。

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