あの時の借り ページ38
side_Muramasa
『また子さん…いい加減ヤケカルビスやめません?』
また子さんは何か嫌なことでもあったのか
カルビスウォーターを数本買って
自販機の前でゴクゴクと飲んでいる
来「うるさいッス〜うぅ!」
『はぁ…武市さんのせいですからねこれは確実に』
武「ぐぬぬ…弁解できかねますねぇこれは」
なぜまた子さんがこんな状態になっているかと言うと
喧嘩の際ちょっと武市さんが言い過ぎただけだ
晋助様が来るまではまた子さんはずっとこの状態のはず
…どうしたものか
ーあら?貴方は…ー
ーね、ねぇ貴方…もしかして村正君?ー
優しそうな声がして振り向いてみれば
前世で少し仲良くなった、ミツバさんがいた
ミ「ごめんなさいね突然、お名前は弟から聞いたの」
『そうでしたか、ミツバさんはどうしてここに?』
ミ「ふふっ、弟と待ち合わせなの」
ミ「あ、そうだこれ」
ミ「貴方に会えた時の為にってずっと持っていたの」
そう言って差し出されたのはあの時貸した色の傘
律儀な人だな、覚えてるとは思わなかった
『ありがとうございます』
武「おや、なんとお可愛らしい女性」
『彼女に手を出したら許しませんよ武市さん』
ミ「ふふっ、貴方はいつでも優しいのね」
『それほどではありませんよ』
昔と変わらない仕草で、優しい笑顔で
好きだなぁ…
総「姉上ぇ!すみません待ちましたか?」
ミ「あら総ちゃん!いいえ、今来たところよ」
総「そうですか、なら行きましょう」
沖田さんの余計な事言うなオーラを感じ取った
ミ「またね村正君、また今度お茶でもしましょう」
『それはいいですね、それではまた』
この傘は大事に使おう
武「おやもしかして彼女が村正さんの初恋の相手では?」
来「えぇ!?そうなんスか!?!?」
来「た、確かに…」
来「さっきのむーくん見た事ないくらい爽やかだった…」
武「あの時熱を出して帰ってきたのはあの人に傘を」
『詮索不要ですよ二人とも』
このままじゃ長くなりそうな武市さんの推理を遮り
言葉を出した
『彼女に穢れは不要です』
来「穢れ…武市先輩の事ッスか?」
武「はぁ!?どう見ても貴方の事でしょう猪女!」
はぁ…どうしてこの二人は仲良くできないんだか…
まぁある意味これが仲良いとも言えるかな
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作者名:エラベールコイン | 作成日時:2023年6月23日 10時