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side_Touba
河上万斉が驚き、弦を緩めた瞬間
身体中に巻き付いていた弦を引きちぎった
正直言うと滅茶苦茶痛い
動く度に血が滲んで、痛みで顔が歪んでるのが分かる
ちょっとでも気を抜いたら本当に手足が引きちぎれてたな
河「残念でござる、主のは仲良くなれる気がしたのだが」
『どの会話でそう思ったんだよ…』
……また山崎に上着の修繕頼まないとな
そんな事を考えていたら、奴に刀を向けられた
河「拙者も時間が無い故、仕方ないが死んでもらおう」
河「主の歌が廃れる前に、拙者が主の歌に飽きる前に」
『なぁ河上万斉…』
『俺の歌は…そこまで聞き惚れる程のものなのか…?』
河「勿論でござる、拙者の耳に狂いはないでござるよ」
血が少なく、体力も限界だった俺は膝から崩れ落ちた
俺より強い奴に会う度に思う
戦場に立てば俺はまだまだ子供で、弱いという事を
俺には剣才がない…
だから当然隊長なんてものになれるわけもない
近藤さんの昔馴染みでもなけりゃ
とっくに他の隊員達に埋もれてる
河「さらばだ黒豹、主の事は忘れぬ」
振り下ろされた刀にも、いつもなら反応出来ただろう
でも何故か、俺の体は動かなかった
刀を握る腕が全く機能しないんだ
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作者名:エラベールコイン | 作成日時:2023年6月23日 10時