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涼介が好きだった。
きっと、ずっと好きだったんだ。
誰かを好きになるって、
こんなにも複雑なんだね____
A「…っ大貴に、八つ当たりしちゃってごめん………
ただ、私は涼介が好きなだけなの……っ
自分勝手で、ごめんねっ……」
ただ感情のまんまに泣きじゃくった。
止まらない涙も、拭わなかった。
A「人を好きになるのって、
なんだか苦しい________」
大貴「………何言ってんだよ…」
ふと気がつくと、
大貴の骨張ったうでが
私の頬に近づいてきた。
優しい手つきで
2、3回撫でたあと
大貴は言った。
大貴「………やめろよ、涼介なんか」
ぴく、と顔を上げると、
大貴の着ているワイシャツが、
カサ、と音を立てて私の体を包みこんだ。
彼の肩を、私の涙が濡らしていく。
A「……な、なにして…」
掠れた声を漏らして
離れようとするのを、
大貴は離さなかった。
強く抱きしめられた体は
もうそこから抵抗をしようとはしなかった。
大貴「…………っ俺なら、泣かせないから」
暖かい大貴の体温が
私の顔の体温をも上げていく。
もっともっと、
強く抱きしめて、彼は言った。
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大貴「………っお前が好きだ」
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作者名:りーな。 | 作成日時:2017年12月17日 8時