~月が綺麗ですね~《Daiki & Ryosuke》 (ページ15)

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15 Ryosuke ページ15

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涼介「今年は秋になんの早いなぁ……」

学校の木々が

だんだんと赤くなっていくのを感じながら

季節とは裏腹に、

俺の気持ちはずっと停滞したまんま。

Aを好きになったのは

もうとっくの前だったなあ。

小6の、

ちょうど今くらいの秋だった。

小学校のサッカークラブチームに
所属していた俺。

最後の大会で、

俺があのシュートを決められていたら…。

あのシュートを決められていたら、

仲間たちを優勝に立たせることができた。

涙で終わることなんてなかったんだ。

コーチに、

『お前達はやりきった。

後悔はするな、

俺はしていないから』

なんて言われたけど。

やっぱ、

ただでさえ感情が難しい方向に生きにくい俺は

後悔で満ち溢れてた。

帰り、

応援に来ていた当時中一の大ちゃんと

同い年のAを乗せて、

車で帰っている時だった。

無性に、

今まで流したことのなかった涙が

俺の頬を伝った。

すすり泣く俺を

Aと大ちゃんは花でため息をつきながら見ていた。

Aが、声を出した。

A「…………いいじゃない、

負けても勝っても。

あそこにいた誰かは必ず、

涼介をカッコいいって思ってたはずだよ」