君の香りは琥珀色 an(a様HBD!) ページ13
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最近では、会社の近くの小さな公園も
クリスマスのイルミネーションがされるようになった。
冬のこの季節、街のそわそわする感じが好きだ。
それはイベントが重なる月でもあり、
1年が終わる月でもあるからかな。
忙しいけどどこか浮き足立った12月。
クリスマスというイベントに
俺の誕生日が重なる月だ。
ま！今月は師走ですからね！
年末の締めまで仕事頑張りますよー！
で、今日もくたくたになるまで働いて、
いつものお気に入りの場所へ。
会社の近くの公園には昼から夜まで移動販売の車が並ぶ。
気付けばお店が変わってることもあるけど、
ここ半年ほど、俺にはお気に入りのお店がある。
いつもはランチもそこに行くんだけど、
今日は昼間忙しく営業先の近くで昼飯を済ませたから、つい足取りも軽くなる。
「すみません。今日のオススメのコーヒーとパンのセット下さい。」
人も疎らな時間、車内の奥側で作業していた店員さんが俺の声に反応して振り返る。
俺の顔を見て花が咲き溢れるような微笑みを見せてくれる。まじ、天使。
「わっ！いらっしゃいませ。
今日も1日お疲れ様でした。
お昼お忙しかったんですか？」
俺の1日を労いながらもその手元から
優しく香ばしい匂いが立ち始める。
「うん、昼間忙しくてゆっくりお昼食べれなかったんだ。やっとここに来れたよ。」
「そうなんですね。本当にお疲れ様でした。
あっ、パンは温めますか？」
「うん、お願いします。」
ゆっくり落ち始めた濃い琥珀を見守った後
彼のキャラメルの様な瞳と
柔らかな笑みが、俺へ向けられる。
「そんな頑張った相葉さんには、
おまけ、つけちゃいます。」
そう言ってウィンクされた！
なんと！
柔らかで大人な雰囲気なのにチャーミング！
俺はそんな彼に、改めてハートを撃ち抜かれた。
足しげく通ったおかげで
今では名前も覚えてもらい、お店が混み合ってなければ会話を楽しむ仲になっていた。
「今日のオススメの珈琲はコロンビア産の浅煎りです。甘さが感じられる珈琲ですよ。
パンはクロワッサンと、もう1種類は甘い系とハード系選べますよ。いかがなさいます？」
移動販売のお店って、短時間に買って手軽に済ますイメージだった。
だけど、ここの今日のオススメ珈琲はその場でドリップしてくれる。
時間がある人は近くに用意された簡易テーブルでゆっくりくつろげる様になっている。
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作者名：すみれ | 作成日時：2014年10月3日 12時
