我が主はわがまま姫【巴日和】 (ページ22)

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21話ページ22

side日和

父上がAに対して暇を出してから2週間。
見事に僕とAは顔を合わせることがなかった。
偶然かと思ってたけどAが意図的にスケジュールをズラしていることを茨から聞いた。

茨「殿下、何か嫌われるようなことでも？身内でもスキャンダルは困ります！」
日和「馬鹿なことを言わないで欲しいね。父上がAに余計なことをしたからだよ」
茨「殿下のお父上がですか？」

茨には大体のことを話しておくことにした。
ある程度なら口が固いし協力してくれるだろうね。

茨「…殿下もしやAさんと婚約するおつもりで？」
日和「もちろんだね。政略結婚するくらいならさっさとAを口説き落としたいくらいだよ」
茨「それ、本気で仰ってますか？」
日和「当たり前だね。あの子は気付いてなかったみたいだけど僕はずっとAが好きだからね」

だからこそ父上はAに視野を広げろって言ったんだしね。

日和「まぁ、父上のせいでAに避けられてるわけだけど。本当に余計なことをしてくれたよね」
茨「いやいやいやいや事務所側からすれば色々困るのですが？！もし仮に2人か婚約したとすればファンの方々に公表するのか否かで対応が変わってきますし、情報が漏れないように統制しなければなりません」
日和「公表するわけないよね」
茨「いや、簡単な話ではなくてですね…」
日和「僕のAを軽々メディアに出すわけないってことがわかるかな？」

茨はまだ納得してなさそうだけどこれ以上は意味の無い会話。

日和「甘いよ茨。落ち目の財閥とはいえ、そのくらいの力は持ってるから」
茨「…配慮が足りませんでした」
日和「だから茨手伝ってくれるよね？」
茨「はい？」
日和「僕のスケジュールに嘘の仕事内容入れておいて。どうせAのことだから把握するだろうし僕のいないであろう時間は事務所にいると思うから」
茨「…今回だけですからね…はぁ…」