#85 ページ8
.
4日間のダイエットも虚しく、ほとんど変わらないまま浴衣に袖を通す。
ちょっときついかな、って思ったけどまだ大丈夫そう … よかった
髪の毛も下の方でお団子にしてみて、サイドは少し残して巻いてみた。
余裕を持って家を出たものの、少し歩くと河川敷は既に人でいっぱいだった。
流されないように、ゆっくり歩いて、時計台の下で亜嵐くんを見つけた。
深みのある紺色の甚平を着た亜嵐くんはいつもよりかっこよく見える。
私に気づくと、笑って駆け寄ってきてくれた。
亜「 … 可愛い、似合ってる、…… うん、ホント綺麗 」
「 …… 褒めすぎ。 亜嵐くんも、すごく似合ってる 」
亜「 ふふ、ありがと。 屋台、行く？ 」
「 うん、行く！ 」
繋がれた大きな右手は安心感があって
まるで私を包み込んでくれるみたいな。
大袈裟だけど、それくらい亜嵐くんはいつも優しかった
チョコバナナ食べて、
射的してちっちゃなお菓子、亜嵐くんが見事当ててゲットした。
金魚すくいしたい、って言ったら
水槽もないのに飼えないでしょって断られた。
少し不貞腐れた私を見て、私の好きないちご飴、買ってきてくれて。
ヨーヨー釣りなら大丈夫だねって2人で挑戦したけど、取れたのは1つだけ。笑
亜嵐くんが選ばせてくれて、紫色のヨーヨーを選んだ。
笑って動いてたらお腹すいたね、って
焼きそばと唐揚げ買って、半分こして。
花火が始まる前に屋台をほとんど制覇した私たちは
亜嵐くんが去年見つけた穴場スポットに移動することにした。
人通りの多い道を進む。
亜嵐くんの腕の袖を掴んでついて行く。
途中、逆の流れに沿って歩く人達の中に、玲於くんを見た気がした。
誰かと一緒にいた雰囲気なかったし、本人じゃないかもしれないけど …
" Aに会えるなら行こうかな "
あの言葉は、本当だったのかな
確証はないまま、亜嵐くんについて歩く
時折、ちゃんと確認してくれるところが優しい
亜嵐くんが連れてきてくれた場所は、あまり目立たない小さな丘
子犬を連れたお爺さんが1人、ベンチに座っていた。
明かりがキラキラしていて、空も大きく見える。
亜「 …… いいでしょ。ここ 」
「 うん、すごい綺麗 … 」
何も言えないくらい、幸せなはず、だよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
NaNa.(プロフ) - あ〜ちゃ〜んぷるさん» ありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです（ ; ; ） (2018年6月4日 17時) (
レス) id: ea3ec2aafb (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃ〜んぷる(プロフ) - 完結おめでもうござます！もうやばいくらい面白かったです！ (2018年6月4日 1時) (レス) id: 15d24f3ca6 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - 亜嵐くんにもきっとステキな相手が現れるよ！ (2018年4月30日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
NaNa.(プロフ) - Honeyさん» ありがとうございます！すごく嬉しいです（ ; ; ）個人的にも亜嵐くん切なくしすぎたな、と思ったり(笑) 楽しんでいただけて何よりです！もう少しお付き合いくださいね(*´-`) (2018年4月22日 10時) (レス) id: ea3ec2aafb (このIDを非表示/違反報告)
NaNa.(プロフ) - りなさん» 長々とお付き合い頂きありがとうございました（ ; ; ）楽しみにお待ちくださいね(*^^*) (2018年4月22日 10時) (レス) id: ea3ec2aafb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：NaNa. | 作成日時：2018年3月29日 22時
