エピソードオブユー《ハイキュー》 (ページ32)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:289,725 hit

31 ページ32

ーエピソード 31 トス持ってこい！ー

your side.*･ﾟ

｢あぁそうだ…
トスを上げた先に誰も居ないっつうのは心底怖えよ｣

重い空気になった体育館に影山くんの声が響く
どんなに強い人でも、独りになれば恐怖しかない

他のメンバーも同じだけど、影山くんもただ一生懸命彼なりににバレーをしていただけなのに。
少し気が強くて、協調性が欠けていただけ。

誰も言葉を発そうとしない雰囲気の中

｢えっ、でもソレ中学のハナシでしょ？
俺にはちゃんと、トス上がるから別に関係ない｣

日向くんが何も偽りがない目で月島くんに言う

｢どうやってお前をブチ抜くだけが問題だ！｣

本当に、日向くんのこういう所、凄いと思う
ビシッと月島くんを指を指すと、先輩たちからも
笑いが漏れる

日向｢月島にちゃんと勝って、部活入って
お前は正々堂々セッターをやる！
そんでおれにトス上げる！
あとAさんをマネージャーにさせる！
それ以外になんかあんのか！？ねっ！！！
Aさん！｣

『は、はいっ！！！』

月島くんに向けていた指を次は影山くんを指す
そして私にも話をふられてびっくりする

月島｢…そういう如何にも“純粋で真っ直ぐ”
みたいな感じ、イラッとする。

気合いで身長差は埋まらない。努力で
なんとかなると思ったら大間違いなんだよ｣

そう言い捨て、試合はまた再開した

ボールは影山くんの方へ

｢｢おれに上げろ！！！｣｣

田中先輩も日向くんもトスを呼んでいる
どちらに上げるのか…と見ていると

影山｢田中さ｣

｢｢影山！！！！！｣｣

そこに_______________

誰も

日向｢居るぞ！！！！｣

影山くんがトスをあげようとした先は田中先輩だった
だけど、影山くんのバックには日向くんが
凄い速さで綺麗に飛んでいた。

そこにすかさず影山くんはトスを上げる

が、日向くんはかなりカスカスにボールが手にあたり
運良く澤村さんはそのボールをとれなかった

影山｢お前何をイキナリ！｣

日向｢でもちゃんと球きた！！！｣

焦ったように言うと影山くんに日向くんは大声で返す

日向｢中学のことなんか知らねえ！！
おれにとってはどんなトスだってありがたぁ～い
トスなんだ！！！！！オレはどこにだって飛ぶ！
どんな球だって打つ！！だから

おれにトス、持って来い！！！！｣

日向くんの熱さに心がギュッとなる
そして影山くん、
田中先輩の方に上げようとしたはずなのに
日向くんの声と動きに咄嗟に合わせて
あそこまで正確なトス…

やっぱり凄い