50話 ページ3
貴「えっ、帰ってきてないっ!?」
日はとっくに沈み真っ暗な夜になった頃、家に帰るとルフィの姿がどこにも無い。
そうしてダダンさんを問い詰めて出てきた言葉は''帰ってきてない''この一言だった。
ダダン「あ、ああ・・・。Aとエースを追って出てったきり帰って来てないんだ」
貴「!ルフィ、まさか私達を追いかけて・・・」
私はルフィを見ていない。だけど、あの時 私とエースは別行動だった。エースを見つけたのなら、簡単に追えるはずがない。
ルフィはきっと山の中だ。
貴「探してきますっ!!」
扉に走り出そうとした瞬間、エースに腕を掴まれて行く事を阻まれてしまう。
貴「エース、はなしてっ」
エース「お前ならわかるだろ!夜の山は危険だっ」
腕を強く引かれ、エースの顔は眼前の距離にまで縮まった。
手を強く握り締めると目を鋭くさせてエースと目を合わせた。
貴「ルフィもエースも、私にとっては同じくらい大切なの!」
エース「・・・!」
貴「大切な人を失うなんて考えられない。
お願い、探しに行かせて」
エース「・・・ダメだ」
貴「エースッ──」
ドグラ「A、エースの言う通りだ二ー。夜は危ない、探すのは明るくなってからにした方がいい」
夜の山が危険だという事はよく知ってる。窓の外を見れば空も地面も見分けがつかないほどの暗い闇があるばかり。
目を伏せると唇を噛み締めて頷いた。
貴「わかりました・・・」
ダダン「・・・。それなら早く飯をつくりな!
皆、腹を空かせてんだ!」
貴「・・・はい」
───
─
時計の針は12を越え、皆が静まり返った頃。布団から起き上がると物音を立てないように服を着替えた。
エース「・・・・・」
貴「・・・朝までには、戻るから」
隣に敷いてある布団を見て、寝ているエースの背中に視線を一瞬送ると部屋を出た。
山の中を走り、探し回った。暗くて何も見えない山道は、いつもとは違って見える。
木の根っこだろうか、石だろうか、何かに足を取られると盛大に転ける。小さく痛みに声を漏らすと地面を手で押し返す。
貴「ルフィは・・・もっと、怪我してるかもしれない。私はお姉ちゃんでしょ・・・・っ」
体についた砂を手で払うとまた山道を走った。
ルフィ・・・どこなの、夜は猛獣が出てくる。
会ったらひとたまりもない。
木に手を当てて、肩で息を繰り返すと大きく息を吸った。
貴「ルフィ〜ッ!!」
617人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきだるま(プロフ) - すみません!64ページの最初の ルフィ「ルフィ!おめェはゆずみたいに掃除してから行きなっ!!」 の所ルフィーでは、ないと思いますが……あ、あと、これ!とっても面白いです!おもしろすぎて、笑っちゃいました! (9月3日 18時) (レス) @page17 id: b40822bf8f (このIDを非表示/違反報告)
コズエ(プロフ) - ブラピさん» ありがとうございます!「面白い」と言ってもらえてすごく嬉しいです! (2015年11月22日 9時) (レス) id: e385705f36 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2015年11月22日 2時) (レス) id: 428188b46b (このIDを非表示/違反報告)
コズエ(プロフ) - ゆうこりんさん» ありがとうございます!提案ありがとうございます!これから書いていくうちにゆうこりんさんのアイディアを借りるかもしれません!No.1でもコメントしてくださってありがとうございました(*´罒`*) (2015年11月16日 0時) (レス) id: e385705f36 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうこりん - すごいですね!更新頑張ってください!期待しています!後、迷惑かもしれませんがちょっと提案です。技で「水攻め」というのはどうでしょうか?相手の顔に水の玉を作って呼吸をさせない技です。どうでしょうか? (2015年11月16日 0時) (レス) id: 13da980614 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ