第8話 ページ8
学校に来てこんなに疲れるとは思わなかった。そりゃ竜くん連れてるの見られたら、連絡先教えての嵐に決まってる。
大体、バカばっか・・・教えるわけないじゃん。
それを群れになってくだらない。
竜くんと蘭ちゃんを渡す気はないから、絶対。
面倒くさすぎて「先生、体調が・・・」なんて言って適当に抜け出してきたが校舎裏にて絶賛帰るか悩み中。
地べたに座って建物に背を預けると、ちょうど陽があたって気持ちがいい。
あー、学校とか面倒くさ。私がこうやって学校に来てるのも蘭ちゃん、竜くんのため。じゃなきゃ来ない。
あの2人の隣に並べるよう最低限の学びは必要だと思ってるだけ、そもそも高校は行く気ないし・・・これも今だけだ。
「ふわっ・・・ねむ」
まあ病弱設定にしてたまにサボってるけど、素行良好、成績優秀な私に何か言ってくる教師もいない。
「あれ、先客いんじゃん」
その声に閉じかけていた目を開けると見覚えのある顔。無敵のマイキーとドラケン、どっちも不良界隈で有名だ。
確か、蘭ちゃん達とバチバチのチームだよね。
まあ同じ学校だし、いつかは会うとは思ってたけど。
「あー、タバコ?私、気にしないからどうぞ。
別にチクッたりもしないから、ご自由に」
「なに、オレらってそんなイメージ?タバコとかしねーよ、ただのサボり」
「あー・・・オマエ、優等生の奴だろ。何してんだ?」
「えー、聞く?そっちと一緒だよ。みんなには秘密ねー」
「へえ・・・。オレ達と普通に話す奴も珍しいが、こんだけ堂々と話す女は滅多に見ねェな」
物珍しそうに目の前で腰を落としたドラケン君。マイキーはたい焼き食べてるし、自由すぎない?まあご自由にとは言ったけど。
「そりゃ普通の子は、不良を相手に喋んないでしょ。普通、怖いって。私は慣れてるからさ」
「慣れてる?」
たい焼きを頬張りながら聞き返したマイキー、どうやら少し興味を示したようだ。
「私の名前ねー、灰谷A。住みは六本木。
そこまで言えば、わかるんじゃないかな」
顔を上げてこちらを見下ろすマイキーと目を合わせれば、口の端を引き上げて首を傾げて見せた。
「トーマンの総長、無敵のマイキー?
ほら、ウチの兄ちゃん達とバチバチなはずだよ」
マイキーの顔は変わらない。けど、ドラケン君は顔を僅かに険しくして私の顔の横に手をついた。
「まさか・・・オマエが、あの灰谷兄弟の妹か」
「フフっ。よろしく」
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