第2話 ページ2
「えー・・・?あぁでも、2人の事を知ってるような口ぶりだったよ。年齢も蘭ちゃんと同じ感じだったし、友達?」
「なわけあるか。オレらの知り合いで、オマエに手ェ出す奴とかジサツ志願者ぐれェだろ」
「あはは、だよね〜・・・」
隣にいる蘭ちゃんは怖いくらいの笑みを浮かべてる。「終わったな」と今日私に絡んできた3人組を思い浮かべる。
竜くんの方は冷静だけど、蘭ちゃんキレてるなー。
言って終わると思ってないから黙っときたかったのに。
「で、後は?」
「あと・・・って言われても、興味ない奴の顔とか覚えてないし。んー、制服着てて・・・髪は金髪で、そうそう怖い顔してた」
話してる最中、眉間にシワが寄っていたが我慢できなかったのだろう。頬を片手で摘まれると顔をグッと近づけられる。
「なあ、やった奴の特徴覚えとけって言ったよな?」
「いっ、ちょっと・・・怪我人、私これでも怪我人だからっ。蘭ちゃん、力強いんだから離してよ。バカっ」
「あ?」
「兄貴、落ち着けって。Aの説明の下手さは今に始まった事じゃねェだろ。コイツ、アホなんだから」
「はっ、なに言ってんのっ。学校じゃ、美人で優等生のAさんで通ってるから」
「ほら、そうやってムキになるとこがアホなんだよ。オマエは猫かぶんのが得意なだけだろ」
「さすが竜くん、よくわかってんじゃん。裏表の激しさでいえば、誰にも負けない自身ある」
言い返せなくなると口を尖らせて顔を逸らす。小さくため息を吐くと目線を重ねるように2人に向けた。
「蘭ちゃん達、最近ケンカしたでしょ。やり返しに来た感じだったよ。大方、私を拉致る気だったんだろうけど」
眉をピクっと動かした蘭ちゃん、竜くんは携帯を開いて何やらカチカチ何か打っている様子。
「まっ、女に頼るなバーカ!って言ってきたから、蘭ちゃん達にやり返しにくるか、私のとこ来るんじゃない?」
「オマエ、ケンカできねェくせに・・・なんで煽るだけ煽ってんだ。絶対バカだろ」
ケラケラ笑う私を見て呆れたような竜くん。
私と一つしか離れていないが、竜くんはしっかりしている。まあ自分で言うのも何だが、私が適当すぎるのかもしれないが。
「教えてやらねェとな。
オレらのモノに手ェだしたらどうなるかってこと」
背筋がゾクッとするほどの笑み。自然と蘭ちゃんから目線を逸らして、手首の痣を摩った。
名前も知らない3人の不良さん、ご愁傷さま。
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