高華の不死鳥第四章 (ページ40)

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第182話逝きたがりのテジュン様ページ40

カン･テジュン･･･彩火の城にいるはずの貴方が何故ここに、追ってをかけた？いや、姫様を始め私達は死んだと思ってるはず。

賊である私達の討伐に任された･･･そんなとこか。

貴「ごめん、少し取り乱した。もう大丈夫っ」

踏みつけられているテジュンを見下ろし一瞥すると剣を鞘に納め、キジャの後ろに姿を隠した。

貴「ちょっと隠れさせて」

ｷｼﾞｬ「どうした、知った顔か？」

貴「うん、だから･･･」

ｼﾞｪﾊ「なるほど。じゃあ後は僕達に任せてっ｣

｢加淡村はやはり賊を匿っていたのか･･･」

ｼﾞｪﾊ「おバカさん。ここいらは僕らの縄張りなんだから、奪った物を置くのは当然だろ。僕らの仲間は火の土地のどこにでもいるよ｣

今もなおジェハに踏みつけられているテジュン、側近であろう兵士は草むらに隠れて声を掛けている。

ﾌｸﾁ「テジュン様、テジュン様ー、生きてますかー？」

ﾖﾅ「小僧共、とっととそいつら放り出しな。
村の連中が怯えてるよ」

ﾃｼﾞｭﾝ「うおおおおおおお！！｣

姫様の声が聞こえた瞬間、急に立ち上がろうと気合いを入れて力を振り絞るテジュン。

剣に手をかけるとキジャの後ろから目を向ける。

姫様の声がした瞬間、動き出した････私達が生きている事を知られると厄介だ。

今始末しておきたいとこだけど･･･一応は将軍の子息、これでも身分のある奴だ、この場で斬ると村にまで被害が及ぶわね。

ｼﾞｪﾊ「おっーっとと、まだ元気みたいだよ、お頭」

ﾖﾅ「そこの役人、無駄な抵抗すんじゃないよ」

ﾃｼﾞｭﾝ「･･･っつ！」

ｼﾞｪﾊ「お、お、お？ほう･･･僕の足に踏みつけられて起き上がれるヤツがいるなんてね」

地面に手をつき、爪を立て力の限り振り絞り諦めずに起き上がったテジュン、兵士の目が輝きだす。

｢おい見ろ･･･」

｢テジュン様が、まさか、あのヨボヨボだったテジュン様が･･･化け物の力に競り勝っている!?」

ﾃｼﾞｭﾝ「うおおおおおお！！」

ジェハの力に対抗し、起き上がると肩で息を繰り返している。

ツンっとキジャの裾を引っ張って小さな声で名を呼ぶとテジュンを指差した。

貴「あの人に姫様や私の顔を見られるとマズイの」

ｷｼﾞｬ「なるほど、承知した」

｢おおお、テジュン様」

役人達は何故か感動に包まれているなか、テジュンはキジャに抱えられると軽々と放り投げられた。

ﾃｼﾞｭﾝ「え？」

ｷｼﾞｬ「邪魔だ」

『テジュン様───っ！！』