高華の不死鳥第四章 (ページ32)

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第174話暗黒龍とゆかいな腹へり達ページ32

｢お前はこっちだっ！」

背後に立つ賊二名、片手で止血しながら小石を拾うと勢いよく指で弾いて急所を狙い撃つ。

突然倒れる2人に周りは騒めき、一斉に剣を向ける。

｢てめっ、何をしやがった!?｣

徐々にだが出血が収まってきている、治療すれば大丈夫だろう･･･が、2人を人質にとられたようなモノだ。

さて、どう動くか。

｢くたばりぞこないを助けてどうするっ!?｣

体を引き剥がされると腕を両方から掴まれ、勢いよく体を地面に押し付けられた。

貴「ッ、それで私を押さえたつもり？」

｢まだ抵抗するぞ!?すげェ力だ･･･！｣

｢オイ、それ以上動いてみろ･･･この男死ぬぞ｣

無抵抗のシンアに向けられた鋭い刃、目を伏せると抵抗を止めた。

｢顔はやるなよっ｣

頭の指示が下った瞬間、男達が何人も私の体を押さえつけ気絶させる為だろう拳が振るわれる。

｢起きたかい、嬢ちゃん。今いい所だせ、あの妙な面の男とあの女は知り合いかい？｣

ﾖﾅ「シンア！A！放してぇぇえっ」

｢暴れんな！めんどくせぇ。これからあいつが死ぬとこだ、よく見とけ」

貴「！」

姫様の顔を叩く賊、右手だけ賊の手から振り払えば暗器を姫様に危害を加えた男に投げた。

｢いってぇッ!!」

ﾖﾅ「A!?」

貴「何をしてる･･･相手は私一人で十分でしょ。足りないのなら、まだ暴れてもいいのよ？｣

｢ナメやがってッ！｣

剣は･･･取られた、だけど体はまだ動かせるっ。

｢おい。その仮面男はテキトーにたたんどけ、女はちゃんと連れてこいよ。俺らは先に行く」

ﾖﾅ「シンア！A！やめて殺さないでっ!!」

｢待て、殺る前に面見せろ。
妙な面つけやがって、恐くて泣いてんじゃねぇの」

手の先をピクっと動かすと握り締め、伏せていた目を開いた。

体を起こすと同時に片足を軸に脚で賊を蹴り飛ばし、剣を奪いとると賊の様子がおかしくなった事に気づく。

貴「何が･･･起こってる、シンア？」

───キィィィィィィィッ

｢な･･･お、黄金の眼!?」

｢な、なんだ。こいつの眼。目が･･･そらせないっ。
体が、体が、動か･･･な」

｢よ、よせ･･･見･･･るな」

シンアの目の前にいた賊は次々に倒れていく。

その異変に姫様を拐う二人の賊も振り返るとシンアと目を合わせた瞬間、姫様をその場に落とす。

｢あ、あれが人間の眼か!?」

｢ふ、震えが止まった？いや、か、体が動かねぇ･･･手も足も指も、なんだこれは。お前はなんだ!?」